1989 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝性疾患及び細胞増殖に関与する遺伝子群の分子遺伝学的研究
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62440001
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
平賀 壮太 熊本大学, 医学部, 教授 (40027321)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
仁木 宏典 熊本大学, 医学部, 助手 (70208122)
前田 英雄 鳴門教育大学, 助教授 (90094044)
小椋 光 熊本大学, 医学部, 講師 (00158825)
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Keywords | 大腸菌染色体の分配 / 核様体 / muk変異 / Fプラスミド / hop変異 / ジャイレ-ス / プラスミドの分配 / プラスミドの複製 |
Research Abstract |
染色体の分配機構に異常があるため無核細胞を放出する変異株を解析し、mukA変異(66分)は膜蛋白をコ-ドするtolC遺伝子の変異であることを明らかにした。またこのtolCの上流に位置するORF3によってコ-ドされる26KD蛋白がMukA蛋白と何らかの相互作用をもつことを示した。このORF3の近くにあるORF5はジャイレ-スBサブユニットと高い相同性があり、加藤らのみつけたparE遺伝子の前半部位であった。また染色体上の21分に存在する染色体分配に関する新しい遺伝子、mukBを単離解析し、約180KDの蛋白をコ-ドすることを明らかにした。染色体DNA複製中の細胞の蛋白合成を阻害したとき、複製は進行しDNA量は2コピ-になるがその核様体は細胞中心部にひと塊りになって存在し、蛋白合成を再開したとき初めてそれぞれ細胞長の1/4の位置に移動(ポジショニング)が起こることを明らかにした。この核様体のポジショニングには細胞長の伸長は伴わず、また染色体DNAの複製開始を阻害した条件下でも起こることがわかり、染色体のポジショニングについてのトリガ-蛋白仮説を提唱した。また、Fプラスミドの安定保持に働く大腸菌遺伝子(hop遺伝子)を解析し、hopA、hopB遺伝子はFプラスミドの分配機構に、hopC、hopD、hopE遺伝子は複製機構に関与することを明らかにした。hopA変異はgyrB遺伝子に起こった変異であり、Fプラスミドの分配に必須なプラスミド自身の遺伝子産物SopB蛋白の発現量の増加がみられた。hopC変異はdnaC,dnaT遺伝子を含むDNA断片を持つプラスミドで相補された。hopD変異はHU蛋白をコ-ドするhupB遺伝子に起こった変異であることが分った。hopE変異はrecD遺伝子に起こった変異で、野性型では観察されないロ-リングサ-クル型複製が起こり、大量の直鎖状多量体プラスミドDNAが形成されることを明らかにした。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Maeda H.,H.Nakamura,S.Kobori,M.Okada,H.Niki,T.Ogura,and S.Hiraga: "Molecular cloning of a human apolipoprotein E variant:E5(Glu3-Lys3)^1." J.Biochem.105. 491-493 (1989)
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[Publications] Ezaki B.,T.Ogura,H.Mori,H.Niki,and S.Hiraga.: "Involvement of Dnak protein in mini-F plasmid replication:temperaturesensitive seg mutations are located in the dnak gene." Mol.Gen.Genet.218. 183-189 (1989)
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[Publications] Mori H.,Y.Mori,C.Ichinose,H.Niki,T.Ogura,A.Kato,and S.Hiraga.: "Purification and characterization of SopA and SopB proteins essential for F plasmid partitioning." J.Biol.Chem.264. 15535-15541 (1989)
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[Publications] Ogura,T.,H.Niki,Y.Kano,F.Imamoto,and S.Hiraga.: "Maintenance of plasmids in HU and IHF mutants of Escherichia coli." Mol.Gen.Genet.220. 197-203 (1990)
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[Publications] Hiraga,S.,T.Ogura,H.Niki,C.Ichinose,and H.Mori.: "Positioning of replicated chromosomes in Escherichia coli." J.Bacteriol.172. 31-39 (1990)
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[Publications] Ogura,T.,H.Niki,H.Mori,M.Morita,M.Hasegawa,C.Ichinose,and S.Hiraga: "Identification and characterization of gyrB mutants of Escherichia coli that are defectivein the partition mini-F plasmids." J.Bacteriol.(1990)