1989 Fiscal Year Annual Research Report
作物および未利用資源植物における種子形成の比較超微形態
Project/Area Number |
62440010
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
前田 英三 名古屋大学, 農学部, 教授 (60023404)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 武 名古屋大学, 農学部, 助教授 (10023409)
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Keywords | イネ / 液体培地 / 茎葉分化 / 資源植物 / 受精胚 / 体細胞胚発生 / 電子顕微鏡 / 緑化率 |
Research Abstract |
未利用資源植物として、マルバ・コルコ-ラスをはじめ約30種ほどの植物を収集した。ショウガ科植物・ナンヨウニガキ・チョウマメ・オウゴチョウ・フクジンソウ・クスリウコン・キク科植物・クビナガイチジク・ケナフ・ヨウサイ・トロド・マツリカ・コショウ・ネコノヒゲ・ウコギ科植物・タデ科植物・パチョリ・フタベガキ科植物・トゲナス・キツネノゴマ科植物・ニオイキンリュウカ・バニラなどである。イネの種子形成に関しては、開花直後の胚発生を電子顕微鏡にて研究した。特に2日目、3日目、4日目の受精胚の形態変化について追跡した。また種子形成の初期過程である受精胚の発生と無菌培養条件下での体細胞胚発生が比較された。無菌培養条件で形成されたイネカルスからの植物体再生が、体細胞胚発生を通して生じるのであれば、その再生個体は、カルスからの茎葉形成による再生植物に較べて、変異の少ないことが期待されるので、体細胞胚発生につき検討した。しかしその発生様式が受精胚発生と正確に比較されていない結果、イネにおいて真に体細胞胚発生が存在するか否か、いまだ不明である。従って、無菌培養条件下での植物体の再生過程を詳細に解明するべく試みた。カルス誘導培地で、液体培地と寒天培地の作用を比較したが、カルスの生長には差異が見られなかった。継代培地では、液体培地でカルスの生体重の増加がはやく、寒天培地の二倍以上であった。再分化培地における茎葉の分化率についてはショ糖5パ-セントのMS液体培地で最も高い茎葉分化率が得られた。N6培地では、寒天培地でも液体培地でも、非常に低い茎葉分化率しか得られなかった。液体培地では、寒天培地よりも根の伸長が活発で、植物体の生長が促進された。高濃度のショ糖の場合は、植物体の生長は良くなかった。カルスの緑化率を比較した結果、MS培地では液体培地でも寒天培地でも差が見られなかった。N6培地の緑化度は高かった。
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[Publications] Maeda,E.and K.Maeda: "Ultrastructure of egg apparatus of rice(Oryza sativa)after anthesis" Japan.Jour.Crop Sci.59. 1 (1990)
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[Publications] Nakano,H.and E.Maeda: "Ultrastructure of inoculated anthers in relation to the frequency of induction of polleu callus in anther culture of Oryza satira L." Japan.Jour.Crop Sci.58. 204-211 (1989)
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[Publications] Nakano,H.and E.Maeda: "Cyto-histological studies on callus formation and its regemeration in anther culture of Oryza satira L." Japan.Jour.Crop Sci.58. 409-418 (1989)
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[Publications] Nakamura,T.and E.Maeda: "A scanning electron microscope study on Japonica type rice callus cultures,with emphasis on plantlet initiation" Japan.Jour.Crop Sci.58. 395-403 (1989)
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[Publications] 冨田勉,谷口武,前田英三: "イネカルスの再分化に対する硝酸銀の影響" 日作東海支部報. 108. 21-22 (1989)