1990 Fiscal Year Annual Research Report
農地における最適物質循環システムの形成に関する研究
Project/Area Number |
62440017
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中野 政詩 東京大学, 農学部, 教授 (00011908)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蔵田 憲次 東京大学, 農学部, 助教授 (90161736)
高倉 直 東京大学, 農学部, 教授 (50011929)
塩沢 昌 東京大学, 農学部, 助手 (80134154)
雨宮 悠 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (40012041)
宮崎 毅 東京大学, 農学部, 助教授 (00209892)
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Keywords | 水移動 / 溶質移動 / 自然浄化 / 土壌侵食 / 塩分集積 / 塩分溶脱 / 土のイオン交換 / 斜面の水移動 |
Research Abstract |
農地基盤における最適物質循環システムを明らかにする研究の最終年度として、水、溶質、固体粒子、それぞれの土中移動の諸現象および機構を解析し、それら相互の連携的な流動・循環関係の構造を解明することをおこない、次のようなまとめをおこなった。 1.水と溶質の鉛直循環システムについて。塩分検出センサを開発し、水の蒸発にともなう塩分の地表集積および溶脱の実態を明らかにするとともに、粘土がソ-ダ質化する過程およびソ-ダ質粘土のカルシウム添加による改良過程の実態を明らかにし、これをイオン交換を伴う水と溶質の同時移動機構として予測する一般的手法を確立した。 2.水と固体粒子の鉛直循環システムについて。水に懸濁した粘土粒子の砂による捕獲現象の実態について明らかにし、土による汚水の自然浄化の実態と機構を解明した。 3.成層土層中の水の浸潤について。土の物理性や斜面勾配、降雨強度とともに、土中境界が、屈折流、部分流の性状や発生に与える影響を明らかにし、土中二次元流の特異的な性質を解明した。 4.斜面農地基盤における降雨による土壌流出について。クラスト形成の実態および浸透に関わる物理的性質を明らかにし、それが土と水の流出におよぼす作用を解明した。 5.農地基盤における植物の成長について。根の伸長力および伸長速度の測定法を開発し、根の伸長と土壌の水分および硬さとの関係を明らかにした。 6.農地における微生物活動について。微生物の生息状況が土壌の透水性に及ぼす影響を明らかにした。 7.以上のような農地における土中の諸現象の相互関連性について、これを土の物質移動学としてまとめ、出版をした。
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[Publications] Miyazaki,T.: "Visualization of Refraclional Water Flow in Layered Soil." Soil Science. 149. 317-319 (1990)
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[Publications] 西村、中野、宮崎: "室内人工降雨装置による土壌クラストの形成と侵食との関連性" 農業土木学会論文集. 146. 101-107 (1990)
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[Publications] 宮崎、中野,他: "土壌微生物が土の透水係数に及ぼす影響" 農業土木学会論文集.
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[Publications] 中野 政詩,他: "砂層中の固体微粒子移動" 農業土木学会論文集.
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[Publications] 中野 政詩: "土の物質移動学" 東京大学出版会, 190 (1991)