Research Abstract |
1.ラットとマウスを用いて種々の胃腸膵ホルモンが肝再生に及ぼす影響を検討した. いずれの動物でも肝の2/3をヒギンズとアンダーソンの方法により切除し,残存肝の増殖をしらべた. 有系分裂は切除後2日以内に旺盛で,肝重量は10ー14日にほぼもとの重量に復する. 2.そこでマウス約100匹を用いて,肝切除直後から(1)CCK 8 10μg/Kg,day,(2)大豆トリプシン阻害剤(1.5mg/mlを飲水とする),(3)トリプシン阻害剤(同上)とセクレチン140u/Kg,day,(4)グルカゴン(67μg,150μg,300μg)とインスリン(0.7u,1.5u,30u/Kg,day),(5)グルカゴン・インスリン(同上)とトリプシン阻害剤飲水,の投与を7日間行ない,屠殺して肝の重応と組織像をしらべた. 重量(体重化)はグルカゴン・インスリン(150μg,1.5u)において約1.25倍の増加を示し(危険率〈0.01),ほかは有意の差がみられなかった. 3.ラット(約100匹)においては,(1)セルレイン1μgまたは10μg/Kg,day,(2)大豆食飼育,(3)トリプシン阻害剤1.5mg/mlの飲水,(4)セクレチン140u/Kg,day,(5)グルカゴンとインスリン(150μg,1.13u/Kg,day),(6)グルカゴンとインスリンとトリプシン阻害剤(1.5mg/mlの飲水)の投与を7日間行ない,肝の重量と組織像をしらべた. その結果,グルカゴン,インスリン,トリプシン阻害剤の三者同時投与で,有意の両生促進効果が得られた. 4.考察,消化管ホルモン,とくにCCKは膵に対する栄養効果をもっており,このことは本研究でも膵をしらべて確認している. 肝に対しても同様の効果を期待して本研究にとりかかったが,グルカゴン,インスリン併用の効果は明らかであるが,消化管ホルモンの効果は,まだ認めていない. 今後さらに検索を続けたい.
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