1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62440026
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
森本 武利 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (30079694)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 俊之 京都府立医科大学, 医学部, 助手 (90168360)
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Keywords | 温熱脱水 / 中心静脈圧 / 脈管コンプライアンス / 飲水 / 高温順化 |
Research Abstract |
体温調節と循環および体液の調節機構の総合的な解明を目的とし, ラットおよびイヌを対象に循環血液量の連続測定法を用いて検討を加えた. まず意識下にラットの血液量と中心静脈圧を連続的に測定する方法を確立し, 両者の関係から脈管コンプライアンスを測定した. その結果脈管コンプライアンスは意識下および麻酔下で変化しないことを確認した. 次いでこの方法を高温順化ラットに応用し, 高温順化ラットでは高体温時に脈管コンプライアンスが低下し, 循環調節に関与していることを明かにした. また運動時のラット血液量および血液イオン濃度の連続測定を行ったところ, 運動時に運動強度に比例して血液量が低下し, 同時に血液のK濃度が上昇することを認る, 現在, その機序について解析を進めている. 次に脱水を負荷したイヌを用いて, 水道水および0.9%食塩水を自由に摂取させた場合の血液量, 血液Na濃度および中心静脈圧を連続的に測定した. その結果, いずれの群でもイヌは約2分間で脱水量の約80%の飲水を行い, この際中心静脈圧は6〜8mmHgの上昇を示し, 血液量および血液組成になんら変化を示さないにも拘らず飲水が停止した. 水道水群ではその後血液Naが低下し, 飲水行動は認められないが, 0.9%食塩君では血液Na濃度に変化は認められず, 中心静脈圧が一定値に迄低下すると飲水が認められ, 飲水行動の調節因子として中心静脈圧が関与していることが示唆された. 現在イヌに胃瘻を作成し, バルーンを挿入して胃内圧と中心静脈圧の関係に付いて解析中である. 汗のイオン濃度と発汗量, 従って脱水回復時の自発的脱水の程度の間には相関が認められ, 発汗によるイオンの喪失量と飲水量との関係が示唆される. 以上温熱脱水からの回復には, イオンバランスと共に血液量の変化が中心静脈圧を介して関与することが示された.
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Research Products
(8 results)
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[Publications] T. Yawata, T. Okuno, H. Nose and T. Morimoto: Physiology and Behavior. 40. 363-368 (1987)
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[Publications] H. Nose, E. Sugimoto, T. Okuno and T. Morimoto: American Journal of Physiology. 353. R15-R19 (1987)
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[Publications] T. Morimoto: Transactions of the Menzies Foundation. 14. 77-83 (1987)
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[Publications] T. Morimoto, E. Sugimoto, H. Nose, T. Okuno, T. Natsuyama and T. Morimoto: The Physiologist. 30. S98-S99 (1987)
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[Publications] T. Itoh, Y. Oda, H. Asaeda A. Sohma, K. Shegemi and T. Morimoto: Japanese Journal of Physiology. 38. 101-108 (1988)
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[Publications] 杉本英造,M.Horowitz,奥野直,森本武利: 第65回日本生理学大会抄録集. 329 (1988)
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[Publications] T. Morimoto: "Man in Stressful Environment, Regulatory responses to thermal dehydration の項分担" C.C. Thomas, 301 (1987)
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[Publications] 森本武利: "新生理学大系22:エネルギー代謝・体温調節の生理学 体温調節の液性協関の項分担" 医学書院, 417 (1987)