1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62440027
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
平 則夫 東北大学, 医学部, 教授 (60004553)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 邦明 東北大学, 医学部, 助手 (10184459)
柳澤 輝行 東北大学, 医学部, 助手 (90133941)
佐藤 慶祐 東北大学, 医学部, 助手 (50125564)
飯島 俊彦 東北大学, 医学部, 助教授 (30004724)
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Keywords | Kチャンネル / Kチャンネル開口薬 / cromakalim / pinacidil / nicorandil / Kチャンネル開口薬レセプター |
Research Abstract |
1.Kチャンネル開口薬の作用機序に関する薬動力学的研究は順調に進展し、次のような新知見を得た。(1)イヌ摘出心房筋において、cromakalin、pinacidil、nicorandilの3種のKチャンネル開口薬はいずれも負の変力作用を発揮し、しかもnicorandilだけが細胞内環状GMPを増した。Nicorandilの2つの作用のうち、負の変力作用だけが、cromakalin、やpinacidilのものと同様に、Kチャンネル遮断薬のTEAによって拮抗された。したがって、nicorandilの負の変力作用はKチャンネル開口作用のみによることが判明した。(2)イヌ摘出心房筋において、cromakalim、pinacidil、nicorandilの負の変力作用はTEAにより非競合的に拮抗された。これを分析するとTEAは3種類のKチャンネル開口薬に対してほぼ同様なpKB値3.5〜3.9を与えた。したがって、TEAはKチャンネルにおいてKチャンネル開口薬の結合部位あるいはそれに関係の深い部位に結合してKチャンネル開口薬の作用発現に拮抗すると考えられる。2.上記のような薬動力学的研究成果に比べ、Kチャンネル開口薬レセプター結合実験は、依然困難を極めている。すなわち、昨年度は〔^3H〕nicorandilと〔^3H〕pinacidilを合成し、イヌ心室膜標品を用いて、リガンド結合実験を行ったが、結合リガンドと遊離リガンドとを遠心分離法で分離したときにのみ、辛じて〔^3H〕pinacidilの特異的結分をみることができた。本年度は、pinacidilより親和性が高い筈のcromakalimに着目し、〔^3H〕cromakalimの合成を試みた。本年度末に漸く〔^3H〕cromakalimの合成に成功し、これを用いてリガンド結合実験を行ったが、イヌ心室筋膜標品において、急速吸引濾過法、遠心分離法のいずれでも〔^3 〕cromakalimの特異的結合を検出できなかった。さらに優れたリガンドの開発が痛感された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Gotanda,K.: J.Cardiovasc.Pharmacol.12. 239-246 (1988)
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[Publications] Yanagisawa,T.: Br.J.Pharmacol.95. 393-398 (1988)
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[Publications] Yanagisawa,T.: Br.J.Pharmacol.(1989)