1988 Fiscal Year Annual Research Report
細胞障害や殺菌と関係する食細胞NADPHオキシダーゼの精製とその性質
Project/Area Number |
62440028
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
水上 茂樹 九州大学, 医学部, 教授 (90037325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
住本 英樹 九州大学, 医学部, 助手 (30179303)
南里 宏樹 九州大学, 医学部, 助手 (80150415)
竹重 公一朗 九州大学, 医学部, 助教授 (10037450)
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Keywords | 好中球 / NADPHオキシダーゼ / 活性酸素 / グアニンヌクレオチド / アラキドン酸 |
Research Abstract |
好中球のNADPHオキシダーゼについて以下の知見を得た。 1.NADPHオキシダーゼの精製 前年度までに、ブタ好中球の食胞に存在するNADPHオキシダーゼを可溶化し、DEAE-セファロースとフェニールセファロースを用いてSDS-PAGEでほぼ単一にまで精製した。その分子量は4.5万であった。今年度は、フェニールセファロースで部分精製した後、SDS-PAGEで4.5万蛋白質を分離し電気的溶出によって精製し、これをウサギに免疫してポリクローン抗体を得た。現在、本抗体のNADPHオキシダーゼ活性に対する作用について検討中である。 2.無細胞系を用いたNADPHオキシダーゼ活性化の研究 好中球細胞膜画分と細胞質画分にアナキドン酸あるいはSDSを加えるとNADPHオキシダーゼが活性化される。細胞質因子はゲルロ過で分子量30万と5万の少なくとも2つの因子からなることをすでに見出していた。今年度はGTPを添加するとO^-_2生成活性が3〜10倍高くなり、このGTP依存性の活性には細胞質因子の一方(分子量30万)のみでよいこと、またこの分子量30万の因子を2′5′ADPセファロースで解析するとGTP依存性と非依存性の2つの成分に分かれることを見出した。このことは、NADPHオキシダーゼ活性化経路に少なくとも2つあること、およびNADPHオキシダーゼのNADPH結合成分は細胞質にあることを示唆している。これらのことを確認するため、2′3′ージアルデビドNADPHを作製しNADPHオキシダーゼの活性化に対する影響をみてみた。NADPHアナログを細胞質成分の一方と前処理すると、活性酸素生成は時間依存性に抑制され、前処理時にNADPHを添加しておくとこの抑制は防止された。細胞質画分のもう一方と細胞膜画分はアナログの前処理によって影響を受けなかった。これらの結果はNADPH結合成分が細胞質画分に存在することを強く示した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Ishida,K: FEBS Lett.243. 169-172 (1989)
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[Publications] Sumimoto,H: Eur.J.Biochem.172. 315-324 (1988)
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[Publications] Sumimoto,H: Biochim.Biophys.Acta. 970. 31-38 (1988)
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[Publications] Osaki,M: Biochem.J.257. 751-758 (1989)
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[Publications] Gotoh,Y: Biochim.Biophys.Acta. 960. 342-350 (1988)
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[Publications] Takasugi,S: J.Biochem.105. 155-157 (1989)