1989 Fiscal Year Annual Research Report
気管支喘息におけるPAF(Platelet-Activating Factor)の気道反応性亢進の機序の検討
Project/Area Number |
62440038
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
牧野 荘平 獨協医科大学, 医学部, 教授 (10049140)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺師 義典 獨協医科大学, 医学部, 助手 (90192202)
大塚 智博 獨協医科大学, 医学部, 講師 (10152183)
山田 吾郎 獨協医科大学, 医学部, 講師 (70146174)
本島 新司 獨協医科大学, 医学部, 講師 (90157842)
福田 健 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (90088873)
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Keywords | Bronchial asthma / PAF / Bronchial responsiveness / Eosinophils / Guinea pig |
Research Abstract |
(1)喘息患者および正常者を対象としたPAF吸入による気道反応比較:喘息患者および正常者を対象として200μg/mlのPAF溶液をDevilbliss 585ネブライザ-より安静換気で2分間吸入し、気道コンダクタンス(sGaw)の変化をbodyplethysmographを用いて測定した。喘息群では吸入直後60分までsGawの有意な低下を認めたが、正常群では吸入直後にsGawの有意な低下を認めたにすぎなかった。この結果は喘息患者の気道は正常人のそれに比べてPAFに対してより過敏なことを示しているが、喘息群でもsGawの低下は吸入前値の50%程度にすぎず、PAFが喘息での気道狭窄の直接のメヂエ-タ-である可能性は低いと考えられる。(2)モルモットにおけるPAF吸入による気道反応性の亢進の検討:モルモットでPAFを静脈内に投与し、麻酔、人工呼吸下で気道収縮物質に対する反応性の亢進が認められている。よって、われわれはより自然の状態でのPAFの効果を見るために、無麻酔下でPAF溶液の吸入、呼吸抵抗の測定、ヒスタミンに対する気道の反応性を測定した。PAF吸入5ー30分にヒスタミン反応性の亢進を認めた。この時期には炎症細胞の浸潤が軽度である点で、この条件ではPAFによる気道粘膜の浮腫が気道反応性亢進の機序ではないかと考えられる。(3)ヒト好酸球よりのPAF産生能の検討:アレルギ-型喘息患者が病因アレルゲンに曝露されると即時型の気道収縮に引き続き曝露3ー8時間に遅発型の気道収縮を示す。この時期に一致して気道粘膜に高度の好酸球浸潤を生ずる。遅発性の気道収縮の原因として浸潤好酸球より気道収縮性のPAFの遊離が考えられる。よって、われわれは、ヒト好酸球を分離し、Ca Inophore A23187に曝露し、培養中のPAFをRIAおよび血小板を用いて測定、760pmol/10^7細胞のPAF産生を認めた。この結果は好酸球浸潤の遅発性喘息反応での役割を示唆している。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] 有馬雅史,山田吾郎,福田健,牧野荘平: "健常者および気管支喘息患者におけるPAF吸入の中枢気道と末梢気道に対する影響の検討" アレルギ-. 38. 194 (1989)
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[Publications] Goro Yamada,Sohei Makino: "Airway responsis to inhaled PAF(Platelet-Activating Factor)in nomal guinea pigs" Lipids Submitted for publication.
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[Publications] 福田健,阿久津郁夫,沼尾利郎,牧野荘平: "好酸球" 現代化学 血小板活性化因子ー生化学・生理・病理ー. 17. 109-121 (1989)
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[Publications] 牧野荘平,福田健,山田吾郎: "気管支喘息" 現代化学 血小板活性化因子ー生化学・生理・病理ー. 17. 171-178 (1989)
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[Publications] 山田吾郎,牧野荘平: "気管支喘息におけるPAFの役割" 日本炎症学会(第9回)プログラム集. 87 (1988)
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[Publications] T.Fukuda,T.Numao,G.Yamada and S.Makino: "PAF IN ASTHMA" Edited by G.Holme and J.Morley Academic Press(London), 219-228 (1989)
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[Publications] G.Yamada,S.Watanabe,T.Fukuda and S.Makino: "PAF IN ASTHMA" Edited by G.Holme and J.Morley Academic Press(London), 231-238 (1989)