1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62440039
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
宮武 正 新潟大学, 脳研究所, 教授 (50048998)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 修三 新潟大学, 医学部附属病院, 講師 (30115034)
渥美 哲至 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (50049061)
辻 省次 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (70150612)
|
Keywords | スフィンゴリピドーシス / ライソソーム / cDNAクローニング / シアリダーゼ |
Research Abstract |
昭和62年度に於いては, 遺伝性神経疾患の代表的疾患の一つであるシアリドーシスの成因に関する分子生物学的研究を開始した. シアリドーシスは, ライソゾームの糖鎖水解酵素の一つであるシアリダーゼの遺伝的欠損によりライソゾーム内にシアル酸を含有する糖蛋白, 糖脂質が蓄積する疾患である. 本疾患の分子レベルの異常を明らかにすることを目的として, まずヒト胎盤よりシアリダーゼ蛋白の精製を行った. すなわち, ヒト胎盤よりCon AーSepharose, 硫安分画, 活性化の操作, pーaminophenyl thioーβーDーgalactoseーCHーSepharose(PATGーSepharose)アフィニティークロマトグラフィー及びShim pack Diol 300高速液体クロマトグラフィーにより78K, 46K, 64K, 30K, 20Kのペプチドからなるシアリダーゼ蛋白を精製することができた. このうち46k, 78kのペプチドに対する抗体を作製し, これらの抗体がシアリダーゼ活性を低下させることを明らかにした. さらにこの精製したシアリダーゼ蛋白のトリプシン分解後に得られた二つのペプチドについてその部分的なアミノ酸配列を決定することができた. この配列をもとにオリゴヌクレオチドを化学合成した. 実験室については, cDNAクローニングなどの分子生物学的研究を行う実験設備を整備し分子生物学的実験を開始した. 次年度において, 本年度に得られた抗シアリダーゼ抗体及びオリゴヌクレオチドを用いてヒトcDNAライブラリーをスクリーニングし, ヒトシアリダーゼのcDNAクローニングを行い, シアリダーゼcDNA及びシアリダーゼ蛋白の一次構造を明らかにし, またシアリダーゼ遺伝子そのもの詳細な構造も明らかにする予定である. さらに, ヒトに於いてシアリダーゼの欠損する疾患にはいくつかのものがあるが, これらシアリドーシスに於ける分子異常の詳細についても明らかにしていく予定である.
|
Research Products
(1 results)