1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62440039
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
宮武 正 新潟大学, 脳研究所, 教授 (50048998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 修三 新潟大学, 医学部附属病院, 講師 (30115034)
渥美 哲至 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (50049061)
辻 省次 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (70150612)
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Keywords | シアリダーゼ / シアリドーシス / スフィンゴリピドーシス / 分子遺伝学 / 遺伝子異常 / cDNAクローニング |
Research Abstract |
本年度は、昨年明らかにしたヒトシアリダーゼ蛋白の構成ペプチドの部分アミノ酸配列から、オリゴヌクレオチドプローブを作製し、ヒト線維芽細胞から作られたcDNAライブラリーのスクリーニングを行った。我々が精製したヒトシアリダーゼ蛋白には、78kDa、64kDa、46kDa、30kDa、20kDaの5つのペプチドが含まれるが、このうちシアリダーゼに関連が深いと考えられる46kDaのペプチドについて、アミノ酸部分配列を解析し、2つのアミノ酸配列を得た。これより、2つのオリゴヌクレオチドプローブを作製しcDNAライブラリーをスクリーニングしたところ、両方のプローブにハイブリダイズするクローン(λHS1013)が得られた。こcDNAの塩基配列の解析の結果、先に求めたアミノ酸部分配列と完全なco-lionearityを示すことが判明し、確かに目的のcDNAが得られたことが証明された。しかしながら、このcDNAの長さは全長のものではなかったので、さらに、米国国立衛生研究所の岡山博士から供与されたcDNAライブラリーをスクリーニングすることにより、全長のcDNAを単離することができた。現在、この全長のcDNAの塩基配列の解析が終了しており、大腸菌による46kDaの蛋白の産生とその精製にも成功しており、また、この蛋白がヒト胎盤から精製して作製した抗46kDa抗体とcross-reactすることも証明した。ヒトシアリダーゼ複合体に含まれるサブユニットの個々のペプチドの機能については、まったく不明であるので、我々が、単離した全長のcDNAをCOS細胞等において発現させ、その機能を解析中であり、さらに、ヒトにおいていくつか知られているシアリダーゼ欠損症における遺伝子異常についても、サザーン解析、ノーザン解析等により、検討を加えている。
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[Publications] Hiraiwa,Masao: Journal of Biochemistry. 103. 86-90 (1988)
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[Publications] Fujita,Nobuya: FEBS LETTERS. 232. 323-327 (1988)