1987 Fiscal Year Annual Research Report
心筋PI特異的ホスホリパーゼCーCa^<++>系と新しいGTP結合蛋白質の機能に関する研究
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62440040
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安田 寿一 北海道大学, 医学部, 教授 (20010126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堅田 利明 北海道大学, 薬学部, 助手 (10088859)
川口 秀明 北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (70161297)
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Keywords | PIーPLC / PIP_2ーPLC |
Research Abstract |
〈目的〉心臓肥大のメカニズムを解明するために,肥大発現への関与が示唆されるイノシトールリン脂質代謝に着目し,その中心的役割を果たす酵素であるPLCについて,従来知られているPLーPLCとは酵素学的に異なるPIP_2ーPLCを同定し,その特徴を検討する. 〈結果〉1. ラット心筋でPIーPLCと酵素学的に性質の異なるPIP_2ーPLCを同定した. 2. PIP_2ーPLC活性はcutosolで最も強かったが,mitochondriaやmicrosomeにも活性がみられた. 3. 至適pHはPIーPLCが7.4,PIP_2ーPLCが9.0であった. 4. PIーPLCの至適Ca濃度は5mMと高濃度であったが,PIP_2ーPLCのそれは,50uMと比較的低濃度であった. 5. 0.1%コール酸でPIP_2ーPLC活性は上昇した. 6. 肥大心筋のモデルとして,高血圧自然発症ラット(SHR)心筋を用い,コントロールラット(WKY)心筋を比較検討したところ,PIP_2ーPL活性はSHR心筋における活性がWKYより高かった. 〈結論〉1. 心筋細胞に従来知られていたPIーPLCとは酵素学的に異なるPIP_2ーPLCを同定することができた. この酵素は生理的濃度に近いCa濃度で活性化されるので,情報伝達上重要な役割をなすと考えられた. 2. SHRの肥大心筋において,PIP_2ーPLC活性がコントロールラットWKYより高かったことにより心筋肥大に情報伝達系の亢進が示唆された.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Naonasa Makita: Circulation. 76. 1V-14 (1987)
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[Publications] Fujii s.: J Mol Cell Cardiol. 20.
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[Publications] Hideaki Kawaguchi: Circulation Res,. (1988)
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[Publications] Satoshi Fujii: J.Molecular and Cellular Cardiology. (1988)