1988 Fiscal Year Annual Research Report
ウイルス感染症および川崎病における活性化リンパ球の形質、機能とその臨床的意義
Project/Area Number |
62440043
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
谷口 昇 金沢大学, 医学部, 教授 (10019888)
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Keywords | 活性化リンパ球 / ウイルス感染症 / 川崎病 / Ki-67抗体 / IL-1 / IL-6 / TCR-γ / δ鎖 |
Research Abstract |
1.ウイルス感染症、川崎病などでは急性期の末梢血中にはKi-67抗体と反応するあらたな核抗原を発現した細胞が増加し、その殆どが活性化T細胞であることが明らかにされた。一方、敗血症、化膿性髄膜炎などの細菌感染症ではこのようなKi-67陽性細胞の増加は観察されず、末梢血におけるKi-67陽性細胞の増加は、ウイルス感染と細菌感染の鑑別に役立つものと考えられる。古典的結節性動脈炎ではKi-67陽性細胞の増加はみられないが、川崎病ではKi-67陽性細胞の長期に亙る増加が観察され、その多くはCD4形質をもつ特徴がありウイルス感染の可能を暗示する。 2.新生児のIL-1、IL-6産生能を成人対照と比較した。全血のまま短期間培養することにより、無刺激時にはこれらのモノカインの産生は殆どみられず、LPS、ConA刺激時にはその大部分が単球により産生されることが、特異抗体をもちいて免疫組織学的に証明された。全血法による検討ではIL-1、IL-6の産生能には新生児、成人の間に差はみられず、モノカイン産生能からみた単球の機能は、生下時すでに成人のレベルにあることが確かめられた。また、川崎病をはじめとする種々の疾患時の血清IL-6の動態につき検索し、いわゆる急性期蛋白との関係を明らかにした。 3.T細胞レセプターγ/δ鎖陽性細胞の組織分布と、疾患時の動態につき検討した。胸腺では1%内外の細胞が、pan-γ/δ抗体とされるTCR-δ1と反応し、δ-TCS1+細胞は主に皮質にみられ、Ti-γA+細胞は主に髄質には分布し、数的にはほぼ等しい。一方、末梢リンパ組織、血液では数%以下の細胞がTCR-δ1+で、Ti-γA+細胞がその大部分をしめ、δ-TCS1+細胞は極めて少ない。TCR-γ/δ細胞の異常増殖疾患における宿主の免疫能につき検討中である。
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[Publications] 生田,敬定: 臨床免疫. 19. 807-816 (1987)
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[Publications] YACHIE,Akihiro: Clin Exp Immunol.
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[Publications] UENO,Yasunao: Clin Exp Immunol.
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[Publications] HASUI,Masaki: Cell Immunol.