1988 Fiscal Year Annual Research Report
進行肝細胞癌における門脈内腫瘍栓の経カテーテル治療法の開発
Project/Area Number |
62440045
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
山田 龍作 和歌山県立医科大学, 放射線医学教室, 教授 (90047085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
寺田 正樹 和歌山県医科大学, 放射線医学教室, 助手 (80188680)
川端 衛 和歌山県医科大学, 放射線医学教室, 助手 (50073789)
佐藤 守男 和歌山県医科大学, 放射線医学教室, 講師 (50154109)
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Keywords | 肝細胞癌 / 門脈腫瘍栓 / YAG-Laser / 血管カテーテル / 血流遮断動脈注入 / 抗癌剤 / バルーンカテーテル / スマンクス / リピオドール |
Research Abstract |
肝細胞癌はしばしは門脈内に侵入し、伸展する門脈の本幹や一次分枝が、腫瘍により閉塞されると、もはや有効な治療のないのが現状である。このような症例に対して経皮的血管カテーテル術を用いて何らかの積極的かつ効果的な治療法を開発するのが本研究の目的である。そこで次のような各種治療法を開発し、その癌床応用を行ったので報告する。1、バルーンカテーテルを用いた一時的血流遮断下抗癌剤動注療法Balloomoccluaedaterialinfusion(BOAI)は、バルーン膨脹により一時的に血流を遮断した上で、抗癌剤溶液(MMC10mg、Acuiamycin20mg、Cisplatim50mg)を動注するもので、抗癌剤は血液に稀釈されること少く、高濃度のまま腫瘍に到達し、その部に滞留し作用するという利点がある。門脈が腫瘍により塞栓されている進行肝細胞癌86例にこの方法を応用し、30.3%の有効率を得た。生存率の明らかな延長をみた。2、油性抗癌剤SMANCSLiodolの肝動脈内注入治法を同様の症例24例に施行し、主腫瘍に対しては(PR7、MR3)有効率41.6%門脈内腫瘍栓に対しては(PR5、MR3)有効率33.3%(PR5、MR3)の成績を得た。3、YAGLaser照射による治療、門脈内にLaserProbeを挿入し、腫瘍栓を焼灼し、蒸散させ次のような諸点を治療する方法の開発を試みた。(1)LaserProbeを門脈内に誘導する経路として、上腸間膜静脈未梢より腹壁切開により挿入する方法が最適であることが分った。(2)LaserProbeはopticfiberにmetaltipを装置し、2.5mm巾の接触型Probeを採用した。(3)門脈壁の損傷を避けるには8Watt以下のenegyが望ましいが、腫瘍の蒸散には不充分であることが判った。(4)他方、内視鏡下に観察しながら照射を行うことを目的に、電子血管内視鏡装置の作製を行った。しかしながら、これら技術の血管内手術への応用は、本研究の今後の課題であると考えられる。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Ryusakuyamada;etar: Radiation Medicine. 6. 79-84 (1988)
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[Publications] 山田龍作 他: 癌と化学療法. 15. 2621-2626 (1988)
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[Publications] 山田龍作: 日本消化器外科学会雑誌. 21. 2215-2218 (1988)
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[Publications] 山田龍作: 癌床婦人科産科. 42. 833-835 (1988)
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[Publications] 川端衛: 日本癌治療学会誌. 23. 118-129 (1988)
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[Publications] 佐藤守男: 日本医学放射線学会雑誌. 48. 924-926 (1988)
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[Publications] 山田龍作: "血管カテーテル術による治療Interventionalradiologyの実際" 秀潤社 尾沢栄三, 388 (1988)
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[Publications] Ryusaku yamada: "CURRENT RESEARCH IN HYPER THERMIA ONCOLOGY" Academic press, H (1988)