1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62440048
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
藤田 拓男 神戸大学, 医学部, 教授 (30009964)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筒泉 正春 神戸大学, 医学部附属病院, 助手 (40188595)
深瀬 正晃 神戸大学, 医学部附属病院, 講師 (80116243)
吉本 祥生 神戸大学, 医学部, 助教授 (50030862)
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Keywords | 副甲状腺ホルモン / キモトクプシン様酵素 / OK細胞 / VMRー106細胞 |
Research Abstract |
副甲状腺ホルモンはその標的器官である腎と骨によって酵素による限定的且つ特異的な水解を受け断片化することが明きらかにされているが、本年度はラット腎のサイトソール分画の副甲状腺ホルモン水解酵素の性状と副甲状腺ホルモンの分解部位の決定に関する研究をすすめるとともに、アメリカふくろねずみ(opposom)の腎細胞培養系であるOK細胞と、骨芽細胞様の機能を有するラット骨肉腫細胞培養系VMRー106の二つの細胞培養系いついて、その副甲状腺ホルモン水解活性を検討し純粋な細胞培養において、副甲状腺ホルモン水解酵素の性状と作用を明きらかにすることをこころみた。ラット腎サイトソールの副甲状腺ホルモン水解酵素とことなり、OK細胞及びVMRー106細胞では、副甲状腺ホルモンの水解は、主として細胞膜に存在すると思われるキモトリプシン様の酵素によって行われ、骨及び腎細胞に存在する酵素は、略_2同様の性状を持つことが明きらかとなった。これらの細胞は、副甲状腺ホルモンに対する受容体をもち、副甲状腺ホルモンの水解は、その受容体との結合を介することが、PTH3ー34等の受容体結合抑制剤の使用によって示唆され、このことは、これらの細胞における副甲状腺ホルモンの作用と酵素による水解が何等かの機序によって結びついている可能性を示す。又副甲状腺ホルモンのこれらの細胞による不活性化は、生体のおかれた環境によって、生物学的を調節を受けていることが示唆された。即ち、サイクリックAMPは副甲状腺ホルモンの水解を抑制し、カルシウムイオノフォアA23187は恐らく細胞内遊離カルシウムの増加を介して副甲状腺ホルモンの水解を促進する。又CーPinaseの抑制剤は、副甲状腺ホルモン水解に抑制的に働らく。更に、副甲状腺ホルモンの作用と、代謝は、水解の関連について詳細を明きらかにし、副甲状腺ホルモンの作用とその調節について新しい観点から解明する予定である。
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[Publications] Yamaguchi,T;Fujita,T: Biochem,Biophys Res Comm. 143. 539-544 (1987)
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[Publications] Fujita,T: Folia Endocrinobogica Japonica. 64. 1250-1257 (1988)
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[Publications] Sase,M;Fujita,T.: Bone & Mineral. 3. 211-223 (1988)
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[Publications] Yamaguchi,T;Fujita,T.: Biochem-Biophys Res,Comm. 141. 762-768 (1986)
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[Publications] Fujita,T: Bone & Mineral. 1. 457-465 (1986)
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[Publications] Fujita,T.: "Calcium and Your Health" Japan publications, 1-132 (1986)
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[Publications] 藤田拓男: "骨粗鬆症ー生活からの予防法" 第一出版, 1-64 (1988)