1988 Fiscal Year Annual Research Report
非放射性同位体による動的解析を中心とした侵襲下の代謝変動に関する研究
Project/Area Number |
62440050
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
森 昌造 東北大学, 医学部, 教授 (70004877)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立木 蔚 東北大学, 抗酸菌研究所, 教授 (90006065)
志賀 清人 東北大学, 医学部, 助手 (10187338)
北村 道彦 東北大学, 医学部附属病院, 講師 (10153131)
標葉 隆三郎 東北大学, 医学部, 助手 (20192106)
西平 哲郎 東北大学, 医学部, 講師 (50101142)
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Keywords | 代謝変動 / 安定同位体 / 手術侵襲 / ホルモン変動 |
Research Abstract |
侵襲下のホルモン変動について研究をすすめ、甲状腺ホルモン(T_3、T_4)の低下は、腹部手術に比して胸部食道癌手術で大きく、回復にも時間がかかる。一方、TSHは上昇せず、FreeT_4も低下していた。他方、リバースT_3は上昇し、術中より術直後にかけて、T_3やリバースT_3が大量に尿中に排泄されることが判明した。また、侵襲の大きさを示す指標として尿中カテコールアミン排泄量は、個々の変動が大きく、AーKinaseのactivaferであるcyclicAMPの尿中排泄量の方が有用と思われる。 胸部食道癌術後では、術前に比して蛋白代謝回転や脂肪代謝も亢進しており、さらに間接熱量測定でみると、糖尿病患者では、術直後RQが0.7に近く、2〜3病日になって1.0に近づき、インシュリンの効果が現れる。REEは術直後は1200〜1300と低いが、レスピレタから離脱する時期には1500〜1600KCal/日に上昇し、燃焼比率でみても糖がよく消費されていた。 リポプロティンリパーゼ活性は、脂質投与量の増加に伴ない上昇するが、肝性リパーゼ活性は逆に低下した。肝障害や敗血症モデルにおいても、肝性リパーゼは低下した。今後、脂質代謝回転や脂質負荷試験を含めて、病態下の脂質代謝について検討が必要と思われた。 生体防御機構については、白血球・赤血球中のATPは術後3病日をピークとして上昇し、フリーラジカル産生能や貧食能も3病日が最も高い活性を示し、白血球のホルモン応答も術後は術前に比して上昇していた。また、補体やacutephase proteinは、術直後に低下し、7病日には逆に上昇する。今後は、このような生体防御機構の変化を含めて、全体の代謝動態の変動の解析をすすめるつもりである。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 森昌造: 消化器外科. (1989)
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[Publications] 西平哲郎: Tohoku J. exp. Med. 156. 259-270 (1988)
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[Publications] 北村道彦: 日本消化器外科学会雑誌. 21. 2063-2068 (1988)
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[Publications] 標葉隆三郎: 消化器外科. 7. 419-427 (1988)
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[Publications] 標葉隆三郎: 日本経腸静脈栄養研究会誌. 4. 180-183 (1989)
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[Publications] 森昌造: "術後管理 食道の外科 手術と術後管理 新外科学体系21 食道の外科" 中山書店, 155-182 (1988)