1987 Fiscal Year Annual Research Report
悪性神経膠腫のウィルス発癌と総合的治療法開発に関する総合的研究
Project/Area Number |
62440056
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高倉 公朋 東京大学, 医学部(病), 教授 (90109984)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
喜多村 一幸 東京大学, 医学部(病), 助手 (20195283)
久保 俊朗 東京大学, 医学部(病), 助手 (30195490)
中村 博彦 東京大学, 医学部(病), 助手 (30189055)
源河 茂 東京大学, 医学部(病), 助手 (30186580)
設楽 信行 東京大学, 医学部(病), 講師 (90111517)
|
Keywords | クリオーマ / 癌遺伝子 / フローサイトメトリー / 養子免疫療法 / ニューロナビゲーター |
Research Abstract |
悪性神経膠腫の治療法に関する総合的研究として62年度は次の知見を得た. 1.ウィルス発癌に関する研究として各種脳腫瘍におけるniyc,ras,erb,fos等の癌遺伝子の発現をブロッティング法により解析し, また生成産物の存在をモノクローナル抗体を用いてスクリーニングした. 結果としてDNAに関しては癌遺伝子の発現の頻度は少ないがerbで認められ, 癌遺伝子生成産物に関しては全て培養グリオーマ細胞において組織化学により認められた. 2.グリオーマ細胞に対する効果的な化学療法を得るために, フローサイトメトリーにてBrdU/DNA二次元標示法により化学療法剤の細胞周期に与える影響を解析した. (1)ACNUはG_1期の細胞をG2期に準積する. (2)ビンフリスチンはS期の細胞をG_2M期に集積する. (3)Ca拮抗剤であるニカルジピンをビンクリスチンに併用すると細胞増殖の抑制とG_2M期への細胞集積が増強した. 3.患者リンパ球を用いた養子免疫療法は現在+数例に達し一部の再発グリオーマ患者には著効を示した. また培養方法も現在はカワスミの培養パックを用い長期大量培養を行なっている. 4.手術時のモニタリングシステムとしてニューロナビゲーターを開発し, 深部のグリオーマの手術に効果をあゲている.
|
-
[Publications] 設楽 信行: 神経研究の進歩. 31. 117-126 (1987)
-
[Publications] 設楽 信行: 癌と化学療法. 14. 3235-3244 (1987)
-
[Publications] S. Genka: Cytometry. 8. 386-391 (1987)
-
[Publications] H. Inoya: Progress in Experimental Tumor Research. 30. 91-99 (1987)
-
[Publications] Y. Kosugi: Cytometry. (1988)
-
[Publications] H. Nakamura: Acta Neurochir. (1988)
-
[Publications] 設楽信行: "Annual Review 神経,1988:脳腫瘍;4 悪性リンパ腫とウィルス" 中外医学, 9 (1988)
-
[Publications] 設楽信行: "図説臨床〔癌〕シリーズ;脳腫瘍;化学.放射線治療" メディカルビュー社, 10 (1987)