1989 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト由来骨形成促進活性ペプチドの臨床応用のための基礎的研究
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62440059
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
高岡 邦夫 大阪大学, 医学部, 助教授 (30112048)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 秀樹 大阪大学, 医学部, 助手 (60191558)
小野 啓郎 大阪大学, 医学部, 教授 (70028330)
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Keywords | 骨形成因子 / 生理活性ペプチド / 骨修復 |
Research Abstract |
1.骨形成因子の単離精製と同定 (1)目標。骨形成因子産生型のマウス骨肉腫を材料として、骨形成因子を単離精製し、そのアミノ酸配列の一部を同定し、その配列に対応するオリゴヌクレオチドをプロモ-タ-として用いることで、骨形成因子のcDNAを合成し、それを大腸菌、酵母または、動物細胞に組み込むことで、その遺伝子を発現させて、骨形成因子の生合成系を確立すること。 (2)実績。マウス骨肉腫を大量に入手するため数千匹のマウスに接種し数キログラム収量を得た。これを材料として、我々が独自に開発した方法で精製をすすめた。その結果、SDSゲル電気泳動で、単一バンドを呈する精製分画を得た。この分画は数10ナノグラムで、マウス筋肉内に異所性骨形成をおこす活性を有している。すなわち高い比活性を有していた。この分画のトリプシン分解によるフラグメントのアミノ酸配列を決定しつつある。 2.骨形成因子の臨床応用のための研究 (1)骨形成因子の担体の開発。精製または合成された純度の高い骨形成因子は水可溶性であり、体内に移植しても拡散によって失なわれ骨形成をおこすことができない。したがって適当な担体が必要である。この担体としてすでに、ブタ皮膚から抗原性の低いコラ-ゲンを精製し、これを骨形成因子の担体として利用できることを明らかとした。さらに、合成可能な担体の開発を試みた。 (2)実績。ポリ乳酸を基本として、その親水性を増し、より生体に吸収されやすくし、骨形成因子の作用をよく発現させる担体として、ポリ乳酸ポリエチレングリコ-ルの共重合体を開発した。この重合体を骨形成因子と混合して体内に移植すると異所性骨形成が得られる。骨欠損の修復を実験動物で試みたところ、大きな骨欠損も修復可能であった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Takaoka,K.: "Establishment of a cell line producing-bone morphogenetic protein from a human osteosarcoma" Clnical Orthopaedics and Related Reserach. 244. 258-264 (1989)
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[Publications] Takaoka,K.: "Ectopic bone induction on and in porous hydroxyapatite combined with collagen and bone morphogenetic protein" Clinical Orthopaedics and Related Reserach. 234. 250-254 (1988)
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[Publications] Tsuda,T.: "Establishment of an osteogenic murine osteosarcoma clonal cell line showing osteoblastic phenotype trait" Bone. 3. 192-200 (1989)
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[Publications] Yoshikawa,H.: "Bone morphogenetic protein and bone remodeling" Advance in Endocrinology. 6. 20-23 (1989)
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[Publications] 吉川秀樹: "骨形成因子の精製とその応用" Bioindustry. 7. 183-189 (1990)
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[Publications] 高岡邦夫: "骨形成因子" 細胞工学. 9. 155-159 (1990)