1988 Fiscal Year Annual Research Report
複合組織同種移植の実験的ならびに臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
62440061
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
杉岡 洋一 九州大学, 医学部, 教授 (30037361)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佛淵 孝夫 九州大学, 医学部, 助手 (40190219)
緒方 公介 九州大学, 医学部, 講師 (40136437)
|
Keywords | ラット / 同種肢移植 / 免疫抑制 / シクロスポリン / FK506 |
Research Abstract |
同種複合組織移植の基礎的研究を目的として、純系ラットを用いた肢移植モデルを確立し、昭和63年度では下記の実験成果が得られた。 1.シクロスポリン(CS)を用いたラットの同種肢移植(実験群)BNの後肢をF344へ移植するmajor mismatch群およびLewからF344に移植するminor mismatch群の2群を作製し、免疫抑性剤としてCS25mg/kg/dayを投与しその期間により短期、長期、非投与群に分け、肉眼的、組織学的、免疫学的、電気生理学的解析を行った。(結果)皮膚の拒絶に関しては、major mismatch CS非投与群では11日前後に対し、CS短期投与では49日、長期投与では60日前後であった。一方minor mismatchではCS投与により短期、長期とも約1年以上の生着がえられた。 皮膚を除いた組織(筋肉、骨、関節軟骨等)ではCSの投与によりminor mismatchおよびmajor mismatch群とも組織学的、免疫学的にも完全な生着がえられた。 2.FK506(FK)を用いたラットの同種肢移植(実験群)BNからF344への major mismatch群を作成し、免疫抑制剤としてFKを短期間(一回投与および14日間投与)および長期間投与した。(結果)移植肢の皮膚の拒絶について検討したところFK短期投与により投与量依存性に生着期間は延長し1mg/kg/day投与では100日前後にまで生着期間は延長したが、合併症として慢性GVHDが約半数に認められた。長期投与では全例に半永久的な生着が得られた。但し合併症としてカリーニ肺炎が大多数に発症した。
|
-
[Publications] Takto,Hotokebuchi: Plastic & Reconstructive Surgery.
-
[Publications] Takao,Hotokebuchi: Transplantation Proceedings.
-
[Publications] Ken,Arai: Transplantation Procedings.
-
[Publications] Chikafumi,Arita: Transplantation Proceedings.