1988 Fiscal Year Annual Research Report
視床下部ー下垂体ー性腺系におけるFSH分泌調節の解明
Project/Area Number |
62440067
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
伊吹 令人 群馬大学, 医学部, 助教授 (40008256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮本 薫 群馬大学, 医学部, 助手 (30125877)
長谷川 喜久 群馬大学, 医学部, 助手 (40092001)
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Keywords | インヒビン / アクチビン / FSH / 下性体ー性腺 / cDNA |
Research Abstract |
1.種々の生理条件下のヒトの末梢血中インヒビンを測定し、産婦人科学領域におけるインヒビンの役割を検討した。先ずヒトの月経周期においては、卵胞期初期から排卵期までインヒビンの濃度は上昇し、排卵後一時的に減少するが黄体期に大量放出が見られた。この黄体期の大量のインヒビンの分泌はヒトに特徴的な現象であった。次に卵胞期の基底レベルのインヒビン濃度とゴナドトロピン刺激後の卵胞発育の間に高い相関が見られることから、インヒビンの測定によりゴナドトロピン刺激後の卵胞の発育が予知できることが判った。排卵期から黄体期のヒトにhCGを投与するとインヒビンの分泌が促進されることから、黄体期に大量に分泌されるインヒビンは、LHの刺激により黄体細胞から分泌されていることが明らかとなった。妊娠時にはインヒビンは上昇し、8〜9週に一時ピークを作る。その後減少し、妊娠の後半に再び増加する。分娩に伴なって血中のインヒビンは急速に減少し、4日後には殆んど検出以下にまで下った。このようなインヒビンの動態はインヒビンが胎盤の機能と密接な関係のあることを示唆している。 2.性腺に存在するインヒビンとアクチビンの性腺内での局所作用について検討した。アクチビンのレセプターがラットの顆粒膜細胞に存在することを初めて明らかにしその特性についても検討した。アクチビンは培養した顆粒膜細胞に働いてFSHレセプターを増加させ、E_2の分泌を促進した。またFSHによるLHレセプターの誘導を促進し、P_4の分泌を促がした。このようなアクチビンは、顆粒膜細胞の分化系列のキーファクターであると考えられる。 3.ヒトインヒビンの各サブユニットのcDNAをCHO細胞に導入し、リコンビナントのヒトインヒビンの作成に成功し、今後大量のヒトインヒビンの生産が可能となった。
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[Publications] T.Sakai;K.Inoue;Y.Hasegawa;K.Hkurosumi: Endocrinology. 122. 2803-2808 (1988)
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[Publications] S.Mikami;S.Yamada;Y.Hasegawa;K.Miyamoto: Cell Tissue Res.251. 51-58 (1988)
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[Publications] Y.Hasegawa;K.Miyamoto;S.Iwamura;M.Igarashi: J.of Endocrinol.118. 211-219 (1988)
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[Publications] H.Sigino;T.Nakamura;Y.Hasegawa;et al.: Biochem.Biophys.Res.Commun.153. 281-288 (1988)
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[Publications] Y.Hasegawa;K.Miyamoto;Y.Abe et al.: Biochem.Biophys.Res.Commun.156. 668-674 (1988)
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[Publications] H.Sugino;T.Nakamura;Y.Hasegawa;et al.: J.Biol.Chem.268. 15249-15252 (1988)
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[Publications] 伊吹令人,水沼英樹,安藤一道 他: "各種卵胞成熟度診断法(超音波,Estrogen定量,CMなど)の優劣" 五十嵐正雄 診断と治療社, 367-370 (1988)
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[Publications] Y.Ibuki;M.Yamaguchi;K.Miyamoto;Y.Hasegawa;H.Mizunuma;Y.Igarashi: "Changes in serum inhibin concentrations in men and women in "XII WORLD CONGRESS OF GYNECOLOGY AND OBSTETRICS"" Composicao e Impressao, 651-652 (1988)