1990 Fiscal Year Annual Research Report
視神経乳頭のコンピュ-タ-解析による緑内障早期発見と合理的管理法の開発
Project/Area Number |
62440069
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
岩田 和雄 新潟大学, 医学部, 教授 (10018301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
難波 克彦 新潟大学, 医学部附属病院, 講師 (80018738)
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Keywords | 視野欠損 / rim面積 / 陥凹面積 / 陥凹容積 / 乳頭面積 / 網膜神経線維層の欠損 / 高眼圧症 / 初期緑内障 |
Research Abstract |
緑内障においては視神経乳頭の障害が視野欠損の出現に先行することはよく知られている。視神経乳頭の大きさに相関して乳頭パラメ-タ-は変動する事が本研究の結果明らかになったが、この乳頭パラメ-タ-と視野欠損の程度との関係から、この視野欠損にどの程度視神経乳頭の障害が先行するかを量的に知る目的で、片眼の視野(ハンフリ-30ー2)が正常で、他眼に種々の程度の視野欠損を示す原発開放隅角緑内障35例の視神経乳頭のコンピュ-タ-画像解析による立体計測を行ない、各症例の乳頭パラメ-タ-の両眼の差とハンフリ-視野の平均偏差の両眼の差との関係について検討した。陥凹面積と陥凹容積の両眼の差と視野の平均偏差の両眼の差との間には有意の相関が、rim面積の両眼の差と視野の平均偏差の両眼の差の間にはボ-ダ-ラインの有意の相関が見られた。この事から視野欠損が検出される前に視神経乳頭にはrim面積では0.37mm^2の消耗、陥凹面積では0.38mm^2、陥凹容積では0.16mm^3の拡大が生ずることがわかった。正常眼、高眼圧症、初期緑内障の三群間で乳頭パラメ-タ-の差について検討すると三群間に統計学的には有意差が認められたが、各値は分散が大きく、三群間での重複が見られた。rim面積のみで三群間の判別がどの程度可能か見ると、高眼圧症は25.0%、緑内障は52.9%分離できた。この乳頭パラメ-タ-の値の分散の特徴は乳頭面積3.0mm^2未満のものでは三群間での各値の重複が見られるのに対し、乳頭面積3.0mm^2以上の例ではこの重複が見られないことであった。この事実から乳頭の大きいもの程眼圧に対する易障害性が高い可能性が考えられた。初期緑内障における網膜神経線維層の欠損と乳頭陥凹拡大との関係をみると、網膜神経線維層の欠損の極初期所見においても乳頭パラメ-タ-の拡大がみられ、このことから緑内障における網膜神経線維層の欠損の主体は瀰慢性欠損であることがわかった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 難波 克彦: "緑内障早期診断における意義:眼底検査" あたらしい眼科. 8. 237-240 (1991)
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[Publications] 難波 克彦、岩田 和雄: "コンピュ-タ-画像解析による視神経乳頭の立体計測ー正常眼と高眼圧症、原発開放隅角緑内障との差についてー" 日本眼科学会雑誌. 95. 174-183 (1991)
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[Publications] Katsuhiko Nanba,Kazuo Iwata,Kyoko Nagata: "Relationship between optic disc damage and visual field defects in glaucoma," Proceedings of the IXth International Perimetric Society Meeting,1991 Kugler Publications,Amsterdam.