1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62440076
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
藤林 孝司 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (80013978)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和気 不二夫 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (80167098)
佐藤 修 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (70134723)
高橋 雄三 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (50014329)
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Keywords | 口腔粘膜疾患 / 難治化 / 悪性化 / 口腔扁平苔癬 / シェーグレン病 / CTL / Anomalous Killer細胞 / T細胞レセプター |
Research Abstract |
口腔粘膜疾患の臨床統計および難治性口腔粘膜疾患の臨床病態分析の一部をつづけている。口腔扁平苔癬で発症し、経過観察数年中に口腔扁平上皮癌が発症した症例もあり、全体の口腔扁平苔癬の母集団の数との関係で悪性化の頻度をさらに検討する予定である。 昨年度に引き続き、シェーグレン病ないしその予備軍とも考えられる口腔乾燥症患者について免疫血清学的検査を行った。シェーグレン病10例中IgG高値80%、抗核抗体陽性70%、抗平滑筋抗体陽性60%、抗SSーA抗体陽性60%、RA陽性60%、血清補体価上昇50%などがみられたが、口腔乾燥症ではその陽性率は低く、血清補体価上昇50%、抗平滑筋抗体陽性44%、IgG高値30%、抗核抗体陽性22%などであったが、RA陽性はなく、抗SSーA抗体陽性もみられなかった。したがって、口腔乾燥症状があり、これらの免疫血清学的反応に異常値がみられる症例では、現在はシェーグレン病の診断基準を満していなくても、今後シェーグレン病を発症する可能性が高い群ではないかと考えられた。とくに抗SSーA抗体の出現は特に特異性が比較的高いと思われる。 インターロイキン2(IL2)によって誘導される、MHC拘束性のあるCTLクローンとMHC拘束性のないAKクローンについて、昨年度に引きつづきこれらT細胞レセプター(TcR)の抗原認識への関与、キラー活性発現に関わる細胞膜上の機能分子につき検討した。抗CD3抗体、抗TcRαβ(WT31)抗体添加によりCTL活性、AK活性共に抑制されたが、抗CD4あるいは抗CD8抗体添加ではCTL活性のみが抑制され、また抗CD2ではAK活性が強く抑制された。Tαβ、Tλδ共にTcRーCD3を介した抗原認識が働いていること、また特異的と非特異的活性発現の間にはCD3を介したシグナル伝達に感受性に差があり、そのシグナル調節にCD2抗原の関与が示唆された。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 藤林孝司: Medical Immunology. 16. 256-257 (1988)
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[Publications] 藤林孝司: 口科誌. 37. 1219-1220 (1988)
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[Publications] Takashi Fujibayashi: J.Jpn.Soc.Cancer Ther.23. 454-454 (1988)
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[Publications] 東みゆき: 日本免疫学会総会・学術集会記録. 18. 165-165 (1988)
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[Publications] 藤林孝司: Medical Immunology. 17. 237-237 (1989)
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[Publications] 高橋雄三: 日口外誌. 35. 341-360 (1989)
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[Publications] 藤林孝司: "Sー6820研究会第2回頭頸部部会記録" Sー6820研究会, 1-77 (1988)
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[Publications] 藤林孝司: "口腔粘膜病変と薬剤 カラーラトラス歯科臨床講座別巻薬剤編" 医歯薬出版, (1988)