1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62440078
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
島野 達也 奥羽大学, 歯学部歯科放射線学講座, 教授 (20083462)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩崎 みどり 奥羽大学, 歯学部歯科放射線学講座, 助手 (30168182)
宮澤 忠蔵 奥羽大学, 歯学部口腔衛生学講座, 助教授 (70083441)
鈴木 陽典 奥羽大学, 歯学部歯科放射線学講座, 助教授 (10104316)
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Keywords | ESR / 被曝線量の測定 |
Research Abstract |
歯を用いたESR線量測定は、線量計をもたない一般人の事故時の被曝量を評価する上で有効な方法として研究されている。その際、その歯が受けた歯科X線による被曝を分離評価する事が必要になるが、この分離評価の手法と、この手法を実際の抜去歯に応用して線量評価を行った結果については、すでに前年度報告している通りである。しかし、この時線量評価した歯は、あきらかに一般人よりも歯科X線による被曝を受けている事がわかっている歯であった。放射線によって形成されるエナメル質中のCO^<3->_3ラジカルが、長期にわたって安定なら、歯は個人の生涯線量計になり得る。すなわち、歯のESR線量測定は、人がその生涯においてどの程度の被曝を受けるのかを評価する基礎データになる。今回は、通常の生活を行っている(放射線治療や歯科X線撮影を頻繁に受けていたとは考えられない)人の歯についてESR線量測定を行い、その評価について検討した。 測定試料は大正14年生まれ、昭和12年生まれ、昭和39年生まれの人の抜去歯で、各抜去歯の頬側と舌側のエナメル質についてESR測定した。通常の生活を行っている人の歯のエナメル質中のCO<3-(1)3>ラジカルによる信号は、大変微弱である事と有機物による信号の影響から検出し評価する事が困難である。そのため、ESRデータシステム(ES-PRIT)で信号の加算を行ったが、その信号から被曝線量を評価するには現在のデータ処理方法では不足な点があり、今後適当なデータ処理の方法を検討する必要がある。また、データ数は不十分であるが、歯のESR線量と年令について興味ある結果が得られつつあり、現在、抜去歯の収集と被曝歴の調査、ESR測定データ数の増加を行っている。中性子照射した歯のESR測定ではCO<3-(1)3>ラジカルによる信号は検出されなかった。硬組織へのFの取り込みとESR信号の動態については実験中である。
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Research Products
(1 results)