1988 Fiscal Year Annual Research Report
パフォーマンスのコントロールにおける知覚的認知と表象的認知
Project/Area Number |
62450024
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Research Institution | Konan Women's University |
Principal Investigator |
梅本 堯夫 甲南女子大学, 文学部, 教授 (50025095)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山上 暁 甲南女子大学, 文学部, 助教授 (10140394)
辻 平治郎 甲南女子大学, 文学部, 教授 (60098457)
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Keywords | 旋律 / 検索 / 反応時間 / 音楽能力 / ポンゾ錯視 / 他者意識 / 表情 / オクターブ認知 |
Research Abstract |
知覚的認知と表象的認知の交互作用がパフォーマンスをどのようにコントロールしているかという問題について、3つの領域で分析が行われた。音楽的認知の領域では、旋律の直後記憶において、ある指定された音が旋律の中に含まれていたかどうかを検索するパフォーマンスをコントロールする要因が分析された。その結果、旋律の長さと検索時間との間に一定の回帰係数がみられた。しかし、その成立の前提条件として、被験者の旋律記憶力がある水準以上であること、各音の提示時間ならびにISIがある乗員を満たしている必要のあることが明らかにされた。また旋律の輪廓における目標者の位置が検索時間に影響を与えることもわかった。またオクターブ認知の一般性を、言語教示と被験者の側面から分析したところ、高さの異なる2つの音で最も類似した音を作れという教示のもとに、オッシレータで音を調整させると、音楽学習歴のある女子大生でも、20名中1名がオクターブを作ったにすぎなかった。8名は高さの近い音を類似した音とした。このことからオクターブ認知は知覚的な一般性をもつものではなく、言語や概念などの表象的認知の影響をうけることが明らかにされた。 第2に、ポンゾ錯視図形の観察における教示や観察態度の影響が分析された。その結果、注意すべき色、観察態度、輻輳線分の間隔などの変数が、それぞれ影響することが明らかにされた。交互作用については明らかではなかった。 第3に他者意識の構造が分析され、他者意識尺度が作製された。それによって分析された他者意識の個人ごとの特徴と、他者の感情特性の認知との関連が研究され、表情の読みとりと他者意識との間の関連性がみとめられた。結果の解釈については、なお問題が残されている。
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[Publications] Umemoto,T.&Mikumo: Abstracts,XXIV International Congress of Psychology. T19 (1988)
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[Publications] 梅本堯夫、三雲真里子: 日本心理学会第52回大会発表論文集. 624 (1988)
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[Publications] Tsuji,H.: Abstracts,XXIVth International Congress of Psychology. T238 (1988)
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[Publications] 辻平治郎、南山真美、吉岡深雪、向山泰代、梅本堯夫: 日本教育心理学会、第30回総会発表論文集. 414-421 (1988)
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[Publications] 山上暁: 日本心理学会第52回大会発表論文集. 512- (1988)