1987 Fiscal Year Annual Research Report
台湾新文学の歴史的研究ー日本統治期文字と戦後文学とのかゝわりに視点をあわせたー
Project/Area Number |
62450057
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Research Institution | Tenri University |
Principal Investigator |
塚本 照和 天理大学, 外国語学部, 教授 (10068687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下村 作次郎 天理大学, 外国語学部, 講師 (20148670)
佐藤 浩司 天理大学, 文学部, 助教授 (50068780)
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Keywords | 皇民化政策(運動) / 台湾寺廟整理 / 台湾総督府 / 台湾文化協会 / 新旧文学論争 / 郷土文学論争 / 2・28事件 / 台湾意識と中国意識 |
Research Abstract |
塚本は, 楊逵が台湾人としてはじめて日本語で書き, ナウカ社発行の『文学評論』誌上で発表した小説『新聞配達夫』(中国語訳『送報〓』)を通じてそこで彼は何を表白しようとしたのかという作者の創作の意図を, 数多く存在するこの作品のテキスト間にみられる表現の相違によって考察した. (「台湾人作家の目を通してみた日本の台湾統治) かつて日本に留学し, 戦後台湾の社会で生きる旧文人達は, これまでどの様に生き, 今何を思っているかを考えた. (「益壮会」の人々) 更に, 以前編した『台湾文学年表』に, その後の調査・インタビューなどを通して蒐集した資料による増補, あるいは改訂をすゝめ, ほゞまとめている. (『台湾新文字史年表』改訂・増補〔稿〕) 佐藤は, 国立公文書館所蔵の公文館所蔵の公文類聚中の台湾總督府関係文書を調査し, 統治政策, 殊に宗教政策についての資料を収集すると共に, 皇民化運動の流れの中で起った寺廟整理問題について, 当時この問題に取り組み, 報告書を作製した宮本延人氏を尋ね,聞き取り調査を行い, 更に, 同氏の手になる報告書を復刻公刊する準備をすゝめた. なお, 同書は『日本統治時代の台湾寺廟問題として, 来る4月26日発行される. 下村は, 台湾雜誌社発行(大正12年(1923)4月15日)『台湾民報』の総目録を東方文化書局複刊本に拠って再整理・編集を行なった. 『台湾民報』は, 第306号から『台湾新民報』と改称されて, 昭和7年4月9日付, 第410号まで発行された. このほか, 戦後初期台湾の文学情況の研究の一環として, 民国37年〜39年にかけて発行された「中日文対照中国文芸叢書」全六集(魯迅作・楊逵訳『阿Q正伝』ほか)の調査を行なうことができた.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 塚本照和: 南方文化.
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[Publications] 塚本照和: 〓唖. 24.25.
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[Publications] 下村作次郎: 天理大学学報. 155. 164-184 (1987)
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[Publications] 下村作次郎: 台湾文学研究会会報. 12.
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[Publications] 中村志編;塚本照和: "日本の南方関与と台湾(台湾人作家の〓を通してみた日本の台湾統治-小説『新聞配達夫を中心として-)" 天理教道友社, 474(387-471) (1988)