1987 Fiscal Year Annual Research Report
高校段階の海外帰国生徒に最適な異文化体験を生かす日本語基礎教材の開発
Project/Area Number |
62450092
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Research Institution | Tokyo Gakugei University |
Principal Investigator |
野田 一郎 東京学芸大学, 海外子女教育センター, 助教授 (50133111)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 モト子 東京学芸大学, 附属高等学校大泉校舎, 教諭
長瀬 瑞己 東京学芸大学, 附属高等学校大泉校舎, 教諭
中田 嘉種 東京学芸大学, 附属高等学校大泉校舎, 教諭
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Keywords | 帰国子女教育 / 日本語教育 / 国語教育 |
Research Abstract |
1.日本語教材ー外国語を思考のよりどころとしている長期在外生を対象とし, 日本語力を考察した応分の教材を以下の3項目に従って開発中である. (1)日常的に使われることばでありながら教科書には出てこないことばの習熟をねらいとする教材. (2)日本語の特色をさまざまな用例を通して理解することをねらいとする教材. (3)ことばの微妙な働きを踏まえて的確な表現活動をすることをねらいとする教材. 2.国語表現教材ー帰国生が苦手とする象徴的な表現や微妙な感情表出の理解力をつけ, 日本文化論的視点を養うように現代文の教材を開発する中で, 表現の基本を身につける学習の必要が出てきた. 要約・視点・構成などの項目に従って日本語力に応分でしかも興味関心のもてる教材の開発, およびそれらを基にした一連のカリキュラムを試作し実践中である. 3.現代文教材ー種々の教材を実際に授業で試用した結果, 海外帰国子女の特性を伸長するためには以下の2項目を考慮する必要があるとの結論に達している. (1)人間のもつ自己中心性を知り, 自己の体験を客観的に見つめ直すことのできる教材. (2)さまざまな文の特質を論じた教材などが有効である. 今後もこの方針に従って教材の開発を続けていく. 4.古文入門教材ー帰国生が身につけていない日本文化の知識を補うとともに, 帰国生の感情や思考を発展させられるような配慮をして, 以下の2項目の視点から教材開発を進めている. (1)視覚に訴える部分を利用した教材. (2)創作を導入した学習にふさわして教材. 幅広いジヤンルや時代を視野に入れながら, 入門期の次の段階の教材の開発も試みていこうとしている. 以上の1から4の各分野に従って教材の開発, 指導法の工夫を試みつつ, 実践を繰り返しているところである.
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[Publications] 鈴木モト子;有働裕;長瀬瑞己: 第1回研究協議会,帰国子女教育の視点を探る. 21-39 (1986)
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[Publications] 大泉校舎国語科: 研究紀要第13集,東京学芸大学附属高等学校大泉校舎. 13. (1989)
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[Publications] 有働裕: 研究紀要第11集,東京学芸大学附属高等学校大泉校舎. 11. 151-162 (1987)
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[Publications] 加藤康子: 研究紀要第11集,東京学芸大学附属高等学校大泉校舎. 11. 142-150 (1987)
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[Publications] 東京学芸大学附属高等学校大泉校舎国語科: "出会いと発見-帰国生を対象とした表現指導の試み-" 東京学芸大学附属高等学校大泉校舎, 126 (1986)