1988 Fiscal Year Annual Research Report
摂食の「乱れ現象」の要因分析=その社会・心理・栄養の総合的視点から=
Project/Area Number |
62450093
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
吉村 磯次郎 京都女子大学, 家政学部, 教授 (60077469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川畑 愛義 京都大学, 名誉教授
高木 徳子 京都女子大学, 家政学部, 助教授 (80077396)
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Keywords | 不定愁訴 / 摂食の乱れ要因分析 / 摂食と愁訴の関連性 |
Research Abstract |
本年度は、前年度に行った調査を統計処理するのが主要目的であった。まず、食習慣に関して評価の公式を考案した。即ち、好ましくない(-)マイナスの評点としては、偏食、過食、残食、摂食時間の不規律、特に朝食ぬき、更に間食、夜食、摂食の姿勢の不良等で、これに反対の応答を(+)プラス評点とした。そして、食習慣の姿勢と児童、生徒、学生の訴える愁訴との相関関係を吟味した。それによれば、運動時間が短く食評価の高いグループでは、魚肉類、豆類、野菜類、くだもの、海草類を充分摂取し、当然ながら栄養学的バランスもよいが、同時にこれらのグループは愁訴数の低いことが注目される。これらに対し食評価の低いグループでは、心が沈みがちである。口がよくかわく、頭に痛みを感じる。イライラする等の愁訴項目において有意に高い値がみられた。 中学生において、もっとも多い愁訴は男女共、あくびがでる、偏食がある、疲れやすい等で、これらは三大愁訴群をなす。なお引き続き運動学習、睡眠時間等の連続値をAICにより区分化し、生活時間の条件と各愁訴間のX^2検定を行った。その結果は朝食ぬきと腹痛、朝食ぬきと頭痛夜食とあくび、朝食ぬきと体がだるい、更に朝食ぬきとイライラ等に有意な相関がみられた。 愁訴には、比較的固定生のあるものと、不定性にものがある。前者には、だるい、頭が重い、ねむい、等があり、後者には、目が疲れる、あくびがでる、根気がなくなる、肩がこる、等がある。これらの流動性の大きいものは概して午後に高く、疲労性要因とも相関が推察される。 (以上愁訴の日内変動) 以上を要約して、食の豊かになるほど食の価値感は低下し、偏食、過食、拒食、食事時の不規律等が拡大し、同時に各種の愁訴もますます増大する傾向にあるのも警戒を要する。
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Research Products
(2 results)