1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62460006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
佐藤 健一 名古屋大学, 教養部, 教授 (60015500)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 肇 名古屋大学, 教養部, 教授 (30011612)
池上 宜弘 名古屋大学, 教養部, 助教授 (00023614)
小澤 正直 名古屋大学, 教養部, 助教授 (40126313)
市原 完治 名古屋大学, 教養部, 助教授 (00112293)
野本 久夫 名古屋大学, 教養部, 教授 (40023030)
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Keywords | 出生死亡過程 / マルコフ過程 / サボーディネイション / 再帰性 / ディリクレ核 / ピカール集合 / 解析的容量 / 標準量子限界 |
Research Abstract |
1.離散状態を持つ代表的なマルコフ過程である出生死亡過程に対し, 一般化された滞在時間の分布を決定することに成功した. それは, ある種の多項式系の零点の位置を詳しく調べることが基礎になる. 2.拡散過程からサボーディネイションによって得られるマルコフ過程の再帰性の問題に関し, 一般化されたベッセル過程の場合に, その指数とサボーディネイターの指数によって, 再帰的のための必要十分条件が与えられることが分った. 3.マルコフ過程と密接な関係を持つ公理的ポテンシャル論において, ある種のポテンシャル核の族を研究し, その族の中で一つの摂動の方法を考察し, さらにこれを用いてフロストマン功力の核がディリクレ核になるための十分条件において最終的な結果を得た. 4.複素関数論は2次元ブラウン運動という確率過程と結びついているが, ピカール集合Eで, その補領域が1価有理型でEを特異点集合として持つ指数的に分岐する関係を許すもの存在する, という事実を示すことに成功した. 5.不連続なグラフの上のコーシー変換の研究に着手し, 分岐過程を用いて, 特殊な大きさを持つ解析的容量1の集合を構成した. 6.レーザー干渉型重力波検出装置のように, 自由質点の位置の連続測定には標準量子限界と呼ばれる測定精度の限界があるとされて来たが, その正否をめぐる論争に対し, この標準量子限界を打ち破る測定のモデルを数学的に構成することにより, 決着をつけた. 7.力学系において, 高次元特異摂動理論の構築の研究を進め, またその応用を電気回路の力学系において進めた. 8.その他の関連する研究として, 解析関数の係数とする微分作用数のなす環の上の行列式論とその応用, オイラー空間の間の写像に対するハルペリンの予想に関連した研究, 解析関数の区分的線形化の研究, 代数的リーマン多様体の研究, 代数学および数学基礎論における研究を行なった.
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 佐藤健一: Transactions of American Mathematical Society.
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[Publications] 伊藤正之: 名古屋大学教養部Preprint Series(No.5). 1-37 (1987)
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[Publications] 村井隆文: 名古屋大学教養部Preprint Series(No.11). 1-133 (1987)
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[Publications] 小澤正直: Physical Reviews Letters. 60. 385-388 (1988)
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[Publications] 小澤正直: 名古屋大学教養部Preprint Series(No.10). 1-30 (1987)
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[Publications] 佐藤肇: Fete of Topology.