1987 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙X線観測用位置検出型螢光比例計数管(ISPC)の開発
Project/Area Number |
62460012
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
牧島 一夫 東京大学, 理学部, 助教授 (20126163)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 一 宇宙科学研究所, 宇宙圏研究系, 助手 (40092142)
大橋 隆哉 東京大学, 理学部, 助手 (70183027)
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Keywords | X線検出器 / X線位置検出 / X線天文学 |
Research Abstract |
本年度は研究実施計画にそってISPCの開発をスタートし, 次のような結果が得られた. 1.計算機シミュレーションにISPC特性の研究:ISPCの発光領域で作られた紫外線がphototubeに入射するプロセスを, 計算機シミュレーションにより考察した. その結果phototube上のphoton分布は, FWHM2〜3mmの極めてシャープなピークと広がった裾とを持つ事がわかった. 従来はこの分布全体の重心で位置決定を行っていた為, 十分な位置分解能が得られなかった. 今回のsimulation結果から, 例えばmultiーwire anodeによりphoton分布の形を取出せば, シャープなピーク部分だけを使って位置決定が行え, 位置分解能を数倍改善できる見通しが得られた. この方法を採用すれば, 一様性の向上とバックグランド除去の効率化も同時に達成できる為, 来年度は実際のISPCに応用する予定である. 2.ISPC発光部の開発:ISPC発光部の試作1号カウンターを製作しテストを行った. このカウンターは60mm径の標準的なものである. 1号機の製作とテストを通じて, 各種材料, クリーニングシステム, 高真空排気装置, ガス詰め循環システム, テスト治具, 高圧電源系, データ取得システム等が順次整備され, 現在東大理学部の実験室にISPC開発の環境をフルに整える事ができた. 1号カウンターは高電圧に対する耐圧が低く十分な特性試験を行えなかった. その原因として(1)材料(特に電極用メッシュとガラスチューブ)の高圧対策が不十分であった. (2)実験室の環境(湿度, クリーン度)が不適切であった, 等が考えられ, 現在小型のクリーンルームを設置し, 2号機を製作中である. 3.位置読出しシステムの開発:位置検出型phototubeの読出し回路, 2次元ADC装置, XYテーブル駆動システム等の製作と整備を行い, 単体各システムの動作を試験した. 全系を組合わせて, マイコンによる自動制御を進めつつある.
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Research Products
(2 results)