1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62460021
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Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
鈴木 治彦 東北大学, 理学部, 助手 (50004370)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂爪 新一 東北大学, 低温センター, 助手 (20005896)
後藤 輝孝 東北大学, 科学計測研究所, 助教授 (60134053)
酒井 治 東北大学, 理学部, 助教授 (60005957)
大塚 泰一郎 東北大学, 理学部, 名誉教授 (80004240)
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Keywords | 核磁性 / 核断熱消磁冷却 / 核スピン・オーダー / 反強磁性共鳴 |
Research Abstract |
1.反強磁性共鳴:本研究の主目的の1つ、電子との相互作用で増巾された核スピンの反強磁性共鳴実験は、昨年度のCs_2N_aHoCl_6の成功に続いて本年度は約5mKで反強磁性に転移する増巾核スピン系H_oVO_4の反強磁性共鳴の測定に成功した。測定方法は昨年度と同様な方法、即ち本研究費で購入したシンセサイザー発振器と波型解析装置を現有の装置及び手作りの装置と組合わせて用いた。前年度のCs_2N_aHoCl_6の場合、理論的解析も終りかなり制度の良い情報が得られた。しかしH_oVO_4の場合理論的取扱いが複雑であり現在実験結果の解析中である。今後実験を続けて行い、より精度の良い情報を得て、前年度の結果と合わせて、増巾核スピン系の反強磁性共鳴、或いはもっと広くダイナミックスについての総合的理解を得たい。 2.純金属の核スピン・オーダー:本研究のもう1つの目的である純金属の核スピン・オーダーは、補助金の減額により超伝導マグネットの購入が出来なかったので予備段階にとどまっている。純金属の核スピン・オーダーを実現させるための冷却は、銅の核断熱消磁冷却を1段目とし2段目に試料の金属の核スピン自体の核断熱消磁冷却によって行う予定である。我々が計画しているSc金属の場合、1段目で約2mKまで冷却しその温度で8Tの磁場で核断熱消磁冷却すれば、エントロピーa85%は除去され、充分核スピン・オーダーを起こす温度以下まで冷却出来る予定である。1段目の銅の核冷却装置は完成し、2度のテスト共に、1mK以下まで冷却出来た。ごく近い将来に純金属の核スピン・オーダーを実現したい。 3.終りに:この補助金によってなられた研究によって多くの有意義な結果が得られた。その為に昭和63年度始めにフィンランドで開催された核スピン・オーダー国際会議で招待講演で本研究の成果を報告した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 鈴木治彦: Journal of Low Temperature Physics. 70. 301-308 (1988)
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[Publications] 鈴木治彦: Physical Review Letters. 61. 683-686 (1988)
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[Publications] 増田由美子: Journal of Low Temperature Physics. 75. (1989)