1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62460022
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
舛本 泰章 筑波大学, 物理学系, 助教授 (60111580)
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Keywords | 半導体多重量子井戸 / 励起子 / トンネル効果 |
Research Abstract |
半導体多重量子井戸(MQW)GaAsーAlD20.29_<Ga>0.71D2Asの垂直電場引加下での光励起電流と励起子発光の競合についての研究を, 共振器ダンパー付きのピコ秒色素レーザーを励起光として行った. 特に, 励起子系に初めてPopulation Mixing法を適用することにより, 別々の光子により作られる励起子(NonーGeminate Excitons:NGE)の概念が明らかにされた. まず, 光励起電流と励起子発光の通常の成分は, 両者の競合領域においては, 励起密度に対して, それぞれSublinear, Superlinearに変化する. また, これらのPopulation Mixing成分は, 2本の励起光の重なり具合いによっても異なるが, 励起密度に対して1〜2乗で変化する. また, 光励起担体が1:1の割合で光励起電流と励起子発光になるような電場Fcは励起密度により変化する. 以上の事柄はNGEの生成速度と電子のトンネル速度との兼ね合いにより全て説明できることが明らかにされた. また, 時間相関単一光子計数法による垂直電場下での励起子発光は2重指数関数型の緩和があり, その遅い方の信号成分は励起子の解離と電子のトンネルにともなうNGEにより生じることが明らかにされた. また, 電場の上昇とともに電子の量子準位間の共鳴トンネルが起こるところに近づいていくが, このとき, ちょうど共鳴点では長い成分が消え, それがすぎると長い成分だけが残ることが明らかになった. これから, 共鳴点では, 電子のトンネル速度が急激に増加し, NGEを作れなくなることが明らかにされた.
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[Publications] Y.Masumoto;F.Sasaki: Journal of Luminescence. 38. 285-287 (1987)
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[Publications] Y.Masumoto;F.Sasaki: Journal of Luminescence. 40. 709-710 (1988)
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[Publications] 舛本泰章: 固体物理〈光物性,電子格子相互作用〉特集号. 137-145 (1987)
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[Publications] 舛本泰章: レーザー研究. 15. 941-947 (1987)
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[Publications] F.Minami;K,Hirata;K.Era;T.Yao;Y.Masumoto: Physical Review B. 36. 2875-2878 (1987)