1988 Fiscal Year Annual Research Report
ドハース・ファンアルフェン効果による希土類化合物のフェルミ面の研究
Project/Area Number |
62460023
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大貫 惇睦 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (40118659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松原 武美 筑波大学, 物質工学系, 教授 (80004331)
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Keywords | ドハース・ファンアルフェン効果 / フェルミ面 / 希土類化合物 / 重い電子系 / 近藤効果 / 横磁気抵抗 |
Research Abstract |
今年度は16T-超伝導マグネットに液体ヘリウム3を導入し、0.5Kの温度が保持できるシステムで、ドハース・ファンアルフェン効果の実験が定常的に行えるようになった。これにより、LaNi、CeNi及びYCu_2のドハース振動及び横磁気抵抗が測定できて、フェルミ面とサイクロトロン有効質量を明らかにし得た。特筆すべきことは近藤温度が約100KであるCeNiのフェルミ面はLaNiと良く似ていることであった。ただし、LaNiには存在しないブランチがb軸を中心にCeNiには2種類存在した。このブランチの極値断面積は小さく、大きな極値断面積を持つ主要フェルミ面に関してはほとんど同じであった。しかし、LaNiとCeNiの大きな違いはサイクロトロン有効質量にある。LaNiの1〜2m_oに対し、CeNiでは20m_oと約10倍以上重い。サイクロトロン有効質量が重い、ドハース振動の振幅が指数関数で減少するので、この20m_oというブランチは0.6K以下で検出可能である。希釈冷凍機を利用してもう一桁低い温度での実験が必要であると痛感した。我々はかねてから、PrB_6、NdB_6のドハース振動を検出し、フェルミ面を構築し得ていたが、CeB_6はサイクロトロン有効質量が重いため不可能であった。今年度、サセックス大学(英国)のスプリングフォード教授の20mK-14Tの低温システムを利用させていただき、CeB_6のフェルミ面とサイクロトロン有効質量を決定し得た。フェルミ面はPrB_6と良く似ていること、サイクロトロン有効質量は約10倍重いことが分った。ただしサイクロトロン有効質量は磁場依存性があり、電子比熱保数から推定した質量と著しく異なることも明らかになった。その他CeCu_2の良質な単結晶が育成され、今年度終了し得たYCu_2のドハースの結果と比較しつつ、次年度にCeCu_2や他のRCu_2のフェルミ面の研究を推進してゆきたいと思っている。
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[Publications] Y.Onuki;et al.: Journal of Magnetism and Magnetic Materials. 76&77. 37-39 (1988)
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[Publications] Y.Onuki;et al.: Journal of Magnetism and Magnetic Materials. 76&77. 119-120 (1988)
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[Publications] Y.Onuki;et al.: to be presented in Int.Conf.of Highly Correlated Electron Systems(Santa Fe,1989).
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[Publications] Y.Onuki;et al.: to be presented in Int.Conf.of Highly Correlated Electron Systems(Santa Fe,1989).
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[Publications] Y.Onuki;et al.: To be published in J.Phys.Soc.Jpn.