1989 Fiscal Year Annual Research Report
ドハ-ス・ファンアルフェン効果による希土類化合物のフェルミ面の研究
Project/Area Number |
62460023
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
大貫 惇睦 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (40118659)
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Keywords | ドハ-ス・ファンアルフェン効果 / フェルミ面 / 希土類化合物 / 重い電子系 / 近藤効果 |
Research Abstract |
昨年度に引きつづき、自作したHe^3システム(0.45K)の16T-超伝導マグネットによるドハ-ス・ファンアルフェン効果の装置は順調に稼働し、多数の希土類化合物でドハ-ス・ファンアルフェン効果の観測に成功した。実験条件としての低温・強磁場が達成できたことと、単結晶育成に大きな進歩があったことで達成できた。すなわち、CeCu_2、CeSn_3、CeIn_3、CeGa_2等の重い電子系でさえ、0.1〜0.5μΩ、cmの極めて小さな残留抵抗値をもつ単結晶育成が可能となった。フェルミ面に関する得られた成果を要約して示す。 (1)昨年度のYCu_2に続き、重い電子系のCeCu_2を試みドハ-ス・ファンアルフェン振動を観測した。得られたフェルミ面の形状はYCu_2と全く異なった。サイクロトロン有効質量はYCu_2の0.1〜0.7moに比べて約8倍重く、0.5〜5.3moであった。 (2)CeSn_3とLaSn_3のドハ-スに関して詳細な実験結果を得た。得られた知見は極めて重要であり、CeSn_3の4f電子は完全に伝導電子となって、他のs、p、d電子と混成していることが明らかにされた。磁気抵抗の結果もこのことを支持した。 (3)CeIn_3では一つのドハ-ス振動を検出した。そのブランチはLaIn_3と同じであり、ただし、サイクロトロン有効質量は約7倍くらい重くなっていた。 (4)NdCu_6では4つの階段をもつメタ磁性を示すが、各磁気領域でフェルミ面が変化するかどうかを調べた。結論はフェルミ面に変化は生じないということであった。 (5)CeGa_2でごく最近ドハ-ス振動に成功し、現在測定を行っている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Y.Onuki et al.: "Fermi Surface and Cyclotron mass of CeB_6" J.Phys.Soc.Jpn.58. 3698-3704 (1989)
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[Publications] Y.Onuki et al.: "High Field Magnetoresistance and de Haas-van Alphen Effect in CeNi" J.Phys.Soc.Jpn.58. 3705-3710 (1989)
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[Publications] K.Maezawa et al.: "High Field Magnetoresistance and de Haas-van Alphen Effect in LaNi" J.Phys.Soc.Jpn.58. 4098-4103 (1989)
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[Publications] Y.Onuki et al.: "Transport Property and de Haas-van Alphen Effect in YCu_2" J.Phys.Soc.Jpn.58. 4552-4556 (1989)
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[Publications] Y.Kurosawa et al.: "Magnetoresistance and de Haas-van Alphen Effect in CeIn_3" J.Phys.Soc.Jpn.
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[Publications] Y.Onuki et al.: "Anomalous Hall Coefficient in the f Electron System-Ce Compounds" J.Phys.Soc.Jpn.58. 2126-2134 (1989)