1988 Fiscal Year Annual Research Report
極低温(1.5〜4.2k)用電子検出器の開発と共鳴電子メスバウアー分光への応用
Project/Area Number |
62460029
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
五十棲 泰人 京都大学, 放射性同位元素総合センター, 助手 (50027603)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片野 林太郎 京都大学, 化学研究所, 教務職員 (50231254)
伊藤 真 京都大学, 放射性同位元素総合センター, 助手 (30144398)
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Keywords | 比例計数管 / メスバウア分光法 / 内部転換電子 / 低温物生 / 固体物理学放射線計測 / 低温放電 |
Research Abstract |
4.2k以下の極低温で作動する電子検出器の開発 昭和62年度に改良製作したクライオスタットは、液体ヘリウムタンクの低部に電子検出器(純ヘリウム封入型比例計数管)を取り付ける構造になっており、ヘリウムガスのポンピングによって冷却しても検出器自体の温度は、3.4kまでしか下がらないことが分かった。そのため金属クライオスタットを新しく製作し、さらに検出器自体も改良した。新装置は電子検出器を液体ヘリウム層に直接漬けることができるため、ポンピングによる到達温度は1.7kに改良できた。この装置を使って1.7kー4.2kの温度領域で電子検出器を作動さしてその特性を調べて次のことが分かった。 (1)ガス増幅率の温度依存性はない。 (2)連続放電を起こす陽極電圧は温度が下がるとより低くなる。 これらの結果は予想していたことと異なり、極低温での放電現象に関する新しい知見を与えるものである。さらにクライオタットの改良を行って1.7k以下での検出器の特性を調べる予定でいる。 本研究によって、4.2k以下での共鳴電子メスバウアー測定が可能となった。現在新しい装置を使ったメスバウア測定の準備を進めている。
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[Publications] 五十棲泰人,伊藤真,藤井達生,片野林太郎: Rev.Sci.Instrum.
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[Publications] 岸本俊二,五十棲泰人: Nucl.Instrum.Methods.
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[Publications] 五十棲泰人: Radioisotopes. 27. 81 (1988)
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[Publications] 片野林太郎,藤井達生,小林隆幸,福村和子,五十棲泰人: Nucl.Instrum.Methods.
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[Publications] 小林隆幸,福本和子,五十棲泰人,片野林太郎: Hyperfine interaction.
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[Publications] 五十棲泰人,藤井達生,片野林太郎,岸本俊二: KEK report. 88ー5. 103 (1988)