1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62460033
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
栃原 浩 東京大学, 物性研究所, 助手 (80080472)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 好正 東京大学, 物性研究所, 教授 (10080467)
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Keywords | 準安定原子 / 表面電子状態 / 超音速電子線 |
Research Abstract |
今年度の計画は、準安定原子線源装置を完成させ、準安定原子線の動作チェックをおこない、既存の超高真空装置に結合させ、スペクトルを得ることであった。その他に、新しいタイプのエネルギー分析器を製作することも考えていた。装置は完成した。口径が10インチ及び6インチの大きな油拡散ポンプで差動排気すること、ならびに、ビーム源からサンプルまでの距離をできるだけ短くしたいなどの理由によって、真空槽としては箱型を製作することにした。箱型の場合、側面に受ける圧力が非常に大きいため、肉厚の金属材料を使わなければならない。通常用いられているステンレスでは重すぎるので、アルミ合金で製作することにした。10^<-7>Torr台の充分低い真空度を達成した。ポンプの排気速度は、価格・真空槽の大きさなどによって制限されるが、その範囲内でビーム強度の大きな、速度分布の狭い超音速ビームを形成するように、ノズルの口径、ノズル内の圧力、スキマーの口径を決めた。準安定原子発生の方法として、直流放電と電子線衝撃を採用した。その2つの部分をビームに対して直列に配列することによって、異なった2種類の方法を独立に適用したり、同時に使用することも可能である。ノズルビーム発生部・準安定原子励起部を組みたて、既存の超高真空装置に接続して予備的なビームの実験をしたところ、ビーム発生部からのガスの流入によって、超高真空装置部の真空度が悪くなった。これを避けるために、超高真空部とビーム発生部の間に、差圧排気をするための小さな超高真空部を製作した。ターボ分子ポンプで排気の結果、真空度の著しい改善が見られた。準安定原子線は作動し始めたが、予定していた既存のエネルギー分析器では感度が悪く、まだスペクトルをとる段階に至っていない。今後、角度積分型の感度の高いアナライザーを製作する予定である。
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Research Products
(1 results)