1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62460034
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
氷上 忍 東京大学, 教養学部, 助教授 (30093298)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠藤 泰樹 東京大学, 教養学部, 助教授 (40106159)
桜井 捷海 東京大学, 教養学部, 助教授 (00012469)
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Keywords | アンダーソン局在 / スペックル / 後方散乱光 |
Research Abstract |
光のアンダーソン局在の実験を前年度に引き続き行い、研究を行った。ラテックス溶液のレーザー光(He-Ne-35mW)の後方散乱の実験が主で、観測された後方散乱光の強度が約2倍増加することを解折した。この現象は光の時間反転した散乱路がコヒーレントに後方散乱に寄与する為で、バックグランドに対して2倍の強度のピークを角度分布に対して与える。この時間反転した光路はアンダーソン局在では重要な意味を持ち、電子系で弱局在の領域で観測されている磁気抵抗の頃と同じ物理的意味を持つ。磁気抵抗の場合と同じに、非弾性散乱や時間反転を破る効果に対して、後方散乱の強度増加は大きな影響を受ける。我々は偏光板を入射光に対して角度を変化しながら導入し、その影響を調べた。偏光しているレーザー光に平行に偏光板を入れた場合は約2倍の強度増加が後方散乱に見られたが、90度の角度の時は強度増加が弱まった。このピークの形は定性的に理論と一致しているが、定量的には違いがあることが判かった。また、ゆらぎを測定した所、ピークの値近くでは強度のゆらぎが大きく、ピーク以外のバックグランドではゆらぎが小さいことを見つけた。これは偏光板の角度とは関係なく観測された。ピークでのゆらぎは、スペックルが大きい領域でゆらいでいるためと思われ、時間反転した光路のコヒーレンスとスペックルのゆらぎを調べた。このゆらぎのフーリエ成分及び強度の統計分布を解析した。特に強度の分布とアンダーソン局在の関係を行った実験に基づいて理論的に考察した。またラテックス溶液ではない、国体のランダム散乱体(TiO_2)を用いて散乱実験を行い、溶液との違いを測定し考察した。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Hikami;A.I.Larkin: Mod.Phys.Lettrs. B2. 693-698 (1988)
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[Publications] A.G.Aronov;S.Hikami;A.I.Larkin: Phys.Rev.Letters. 62. 965-968 (1989)
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[Publications] S.Hikami;A.Fujita;H.Amekura;A.Kawasumi;M.Yamaguchi: Phys.Rev.B.