1989 Fiscal Year Annual Research Report
GPS測位干渉法を用いたプレ-ト境界の地殻変動の研究
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62460042
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
加藤 照之 東京大学, 地震研究所, 助手 (80134633)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 一郎 東京大学, 地震研究所, 教授 (20012916)
石井 絋 東京大学, 地震研究所, 教授 (30004386)
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Keywords | GPS / 地殻変動 / 測位 / 測位干渉法 / 宇宙技術 / プレ-ト / プレ-ト境界 |
Research Abstract |
前2年の実績をふまえ、設置した観測網での再測に力点をおいて観測研究を実施した。但し、関東・伊豆に設置した観測網での観測については別途地震、噴火予知関連の研究費によって実施できたので、本研究課題では富山、立山を中心とする北陸地域の観測に力点をおいた。昨年度WM101を使用したのに比べ、今回は2周波用に改良したWM102を使用した。WM102は年度の初め頃導入されたので、北陸地方における観測に先立ち地震研屋上の約4mの基線でWM102による予備観測が実施され、地上測量との比較や再現性で2〜3mmの精度が得られた、この間、衛星の配置に関しても2月から新たにBLOCKIIの衛星が数機打ち上げられたため、観測条件が格段に改善された。 予備調査に引き続き、10月14日から17日の4日間北陸地方における観測が実施された、観測時間は数時間の4衛星可視時間を含む8時間以上とることができた。観測点は昨年の富山、立山、金沢のほか京大上宝観測所、宇治、野辺山でも観測を実施した。このため300kmを越えるような長距離の基線を観測することができた。得られた資料について基線解析を実施したところ数十kmから400km近い基線のほどんどの基線につついて基線長でほぼ0.5ppmをきるような良好な短期再現性が得られた。また、12月に実施した相模湾周辺地域における観測でも同様の短期再現性が得られた。このような良好な結果が得られたのは衛星の配置が改善されたことが第一の要因にあげられるが、ソフトウェアの改良すなわち整数不確定性の除去における新しい手法の導入も重要であると考えられる。現在さらに野辺山におかれた固定点(fiducial site)でのVLBIとの結合について研究を進めており、この固定点の導入により結果はさらに改善できると思われる。今後本研究を継続実施することにより長期再現性の詳しい調査が可能となり、地殻変動研究への新しい応用への道が開けることになると期待される。
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[Publications] Ishii,H.and T.Kato: "Detectabilities of earthquake precursors using GPS,EDM and strain meters,with special reference to the 1923 Kanto earthquake" Journal of the Geodetic Society of Japan. 35. 75-83 (1989)
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[Publications] Kato,T.and K.Nakajima: "Regional crustal movements in Japan and geodesy by space techniques" Journal of the Geodetic Society of Japan. 35. 171-185 (1989)
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[Publications] 村田一郎他: "GPS干渉測位法による基礎実験" 地震研究所彙報.
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[Publications] 村田一郎他: "相模湾周辺におけるGPS観測(概論)" 測地学会誌. (1990)
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[Publications] Kato,T.et al.: "The GPS campaigns in the Hokuriku district,Japan" Proceedings of the GPS Symposium 1990,Japan (仮題). (1990)
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[Publications] 日本測地学会編著(加藤,村田,他共著): "GPS-人工衛星による精密測位システム-(改訂版)" (社)日本測量協会, 272 (1989)