1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62460050
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
増田 俊明 静岡大学, 理学部, 助手 (30126164)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
狩野 謙一 静岡大学, 理学部, 助教授 (30090517)
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Keywords | 石英 / 流動変形組識 / 転位 / 透過電子顕微鏡 / 変成岩 / マイクロブーディン構造 / 偏光顕微鏡 / 高温高圧変形実験 |
Research Abstract |
1.昨年度に引き続き、野外試料の収集に努めた。今年度には、常呂帯の変成岩、木山変成岩、鴨川の変成岩中の試料を新たに入手した他に、カムイコタン構造帯の変成岩、三波川変成帯、八重山変成岩、領家帯マイロナイト中の珪質変成岩の試料を補強した。これらは全て現地調査を行なって得たものである。これらの珪質変成岩のうちの高圧変成帯のものは、全て例外なくマイクロブーディン構造が見られることがわかった。ただし、マイクロブーディン構造の程度は各変成帯ごとに、あるいは同一変成帯でも採取地域によって異なっていることがわかった。これらの結論は昨年度のものと同一である。マイクロブーディン構造から推定される差応力の値と同一の試料中に見られる石英の変形組識の関係についても、昨年の結論を裏づける結果となった。すなわち、差応力の大きい試料に偏平した石英粒子が見られている。 2.昨年度末に名古屋大学から移管した高温高圧変形装置を一部改良した。改良点は、旧来のシンクロナスモーターをパスルモーターに変更したことである。これによってモーターの回転速度をコンピューターでコントロールできるようになった。この他に測定システムの一部を旧来のものより使い易いものと交換するなどの準備を整えた上で、1回高温高圧変形実験を行なった。実験は封圧4Kb(400MPa)、温度800℃で、歪速度10^<ー6>/SECで行なった。試料は、領家帯に産する珪質マイロナイトを用い、その面構造に平行に約30%短縮させた。その結果、試料中に褶曲構造が形成された。また、この試料には破断も同時に生じており、塑性流動と破断の両方が同じ条件下の一連の変形で起こることがわかった。今回の実験が成功したことにより、現在のパルスモーターシステムで実験が可能であることを証明したことになる。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Masuda;M.Kuriyama: Tectonophysics. 147. 171-177 (1988)
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[Publications] T.Masuda;S.Ando: Tectonophysics. 148. 337-346 (1988)
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[Publications] 増田俊明、安藤伸: 静岡大学地球科学研究報告. 14. 85-88 (1988)
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[Publications] T.Masuda;T.Shibutani;T.Igarashi;M.Kuriyama: Tectonophysics. 163. (1989)
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[Publications] 狩野謙一、佐藤博文: 地質学雑誌. 94. 51-54 (1988)
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[Publications] K.Kano;H.Sato: Journal of the Geological Society of Japan. 94. 453-456 (1988)