1988 Fiscal Year Annual Research Report
光パルス圧縮法による半導体レーザからの超短光パルス幅制御の研究
Project/Area Number |
62460063
|
Research Institution | TOHOKU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
伊藤 弘昌 東北大学, 電気通信研究所, 助教授 (20006274)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 俊一 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (30162431)
稲葉 文男 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (90006213)
|
Keywords | 半導体レーザー / 超短光パルス発生 / 光パルス幅圧縮法 / 超高速光パルス / Gires-Tournois(GT)干渉計 |
Research Abstract |
半導体レーザによるピコ秒領域での超高速光パルス列の発生と制御の研究は、時間領域での光波の超広帯域性を示すものとして、世界的に極めて重要な課題となっている。本研究では我々が推進してきた半導体レーザからの超短光パルスの発生と制御についての研究をさらに押し進め、半導体レーザからの光パルスの圧縮により、理論限界に近い超短光パルスの発生と制御を実現し、時間領域での光波の超広帯域性を確立するための基礎研究を行うことを目的としている。 前年度の研究成果の基づき、まず基本となる単一モード半導体レーザからの利得スイッチングによる超短光パルス発生について、大信号での解析を光パルス発生のメカニズムに立ち戻って行い、精度よい解析解を導出した。この結果、光子およびキャリアの寿命が短いこと、励起を大きくすること、そして微分利得係数が大きなことが、超短光パルス発生のための半導体レーザ動作に求められる特性とし有効であること定量的に明らかにした。 また単一モード半導体レーザからの利得スイッチングによる超短光パルスのGires-Tournois(GT)干渉計を用いる圧縮法を提案し、最短で6.5psの光パルスを確認した。この方法は圧縮律が比較的高く、またエネルギー損失が少ないことから、半導体レーザに適していることを実証した。さらにGT干渉計から出射しる光パルスの電場は、入射光が干渉計によって受ける位相変化をフーリエ変換して求めることができることから、実験結果との比較検討を行い、両者の2次自己相関波形の良い対応が求められた。 さらに量子井戸型半導体レーザについて実験的検討を加え、10ピコ秒台の光パルスが利得スイッチングによって得られることを明らかにした。その優れた特性から今後発展が期待される。
|
Research Products
(3 results)
-
[Publications] 張耐,照喜名朝男,伊藤弘昌,稲場文男: 電子情報通信工学論文誌 C. J71-C. 205-211 (1988)
-
[Publications] N.Zhang;H.Ito;H.Inaba: Electronics Letters. 24. 369-370 (1988)
-
[Publications] N.Zhang;A.Terukina;H.Ito;H.Inaba: Electronicsand Communication in Japan,Part II Electronics. 72. (1988)