1988 Fiscal Year Annual Research Report
光源色および表面色の色の見え方の心理物理学実験による定量化
Project/Area Number |
62460064
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
池田 光男 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 教授 (30016604)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内川 惠二 東京工業大学, 大学院総合理工学研究所, 助手 (00158776)
中枝 みよし 東京工業大学, 大学院総合理工学研究科, 助手 (50183512)
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Keywords | 光源色 / 表面色 / 色の見え方 / カラーネーミング法 / ユニーク色 / u'v'色度図 |
Research Abstract |
1.色度図全域の色光(u'v'色度図にほぼ均等に分布する195個の色度点)について、マックスウェル視光学系を用いて、色の見え方をカラーネーミング法により測定した。色光の明るさは120tdの白色参照光と等しい明るさにそろえられている。4名の被験者について実験を行った。本研究で用いたカラーネーミング法では、まず色刺激中の有彩色と無彩色成分の比を答え、次に有彩色成分がある場合には、赤黄緑青の中から最大2色までを選びその比を答える方法を用いた。 2.195点の測定点におけるローデータを平滑科し、色度図全域における等色み曲線が得られた。u'v'色度図において等色み曲線は白色点を中心とする同心円状にはならず、黄領域で密になり、青領域で伸びている歪曲した楕円状の分布となった。色相については、スペクトルに近い高彩度領域では4名の被験者のユニーク色領域がほぼ一致したが、低彩度領域では被験者間の相違が大きくなった。 3.光源色と表面色の色の見えを比較するために、上の実験と同一の被験者にいて、まったく同一のカラーネーミング法により色票の色の見えを評価する実験を行った。テスト色票はNCS表色系で最大の色みCrを実現するR、Y、G、Bを含む12枚を選定した。視角は約2゜と光源色の実験視野と比較できるサイズとし、周囲を黒い紙で囲んだ条件で観察した。 4.色票の実験結果を、色度座標がほぼ等しい色光の実験結果と比較した。4名の被験者に共通して次の3点の蛍光が見られた。(1)光源色の方が表面色よりも色みを小さく評価し、特に青領域でその傾向が顕著である。(2)黄領域の色光の色相は、表面色に比べて黄みが増す方向に移動する。(3)青領域の色光の色相は、表面色に比べてユニーク青から離れる方向に移動する。これらの変化は色順応だけでは説明できず、表面色と光源色のモードの相違が大きく影響していると考えられる。
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[Publications] 岡嶋克典: 光学. 17. 582-592 (1988)
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[Publications] 内川惠二: 光学. 17. 661-669 (1988)
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[Publications] Miyoshi Ayama: Color Research and Application.