1988 Fiscal Year Annual Research Report
超広帯域(テラヘルツ)光制御、光バルスシンセサイザに関する研究
Project/Area Number |
62460067
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 哲郎 大阪大学, 基礎工学部, 助教授 (10029522)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森本 朗裕 大阪大学, 基礎工学部, 助手 (00142307)
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Keywords | 電気光学変調 / 光シンセサイザ / テラヘルツ / レーザー / 超短光パルス / ピコ秒 |
Research Abstract |
本研究では、大変調指数の電気光学位相変調により、テラヘルツに及ぶ超広帯域の光サイドバンドを生成し、それらの、振幅、位相を制御して、欲しい波形のピコ秒光パルスを生成する光パルスシンセサイザの開発を行った。 昭和63年度においては、生成光サイドバンドを分光器と同様に回析格子とフーリエ変換鏡で空間的に分波し、分離されたサイドバンドを個別に空間フィルタや変調器でアレイで制御したのち、再度フーリエ変換鏡と回析格子を用いて、合波する本研究者独自の汎用性に富むシンセサイザについての研究開発を主として行った。 光サイドバンド生成は前年度開発した9、35GH_ZLiTaO_3位相変調器を用い、その個別制御にはオンオフ形の透過フィルタを用いて実験を行った結果、10ps以下の種々の波形のパルスを理論通り生成することに世界で初めて成功した。他にもこの光シンセサイザを用い、2乗分布の位相フィルタによるピコ秒圧縮光パルス生成や液晶シャッタアレイによるプログラマブル制御の予備実験にも成功して、さらにテラビット/秒の超高速2進ワード発生器への適用法についても検討を行っている。上述のように、市販のcw発振レーザから、内部に手を加えることなく電気光学的な手法のみで、ピコ秒光パルスを生成し、しかもその波形の制御を行った研究は本研究において他にも世界にも例がなく、本研究に対する関心が高まりつつあるようである。実際、本研究の成果は超高速現象国際学会(Icup:1988年7月比叡山)や、ピコ秒電子工学、光電子工学のトピカルミーティング(1989年3月ソルトレイクシティ、招待講演)等で発表され、国際的にも大きな反響を得ている。 以上のように、当初計画通りとはいかないまでも、ほぼ、本研究の目的を達成したものと考えている。
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[Publications] T.Kobayashi: IEEEJournal of Quantum Electronics. QE-24. 382-388 (1988)
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[Publications] A.Morimoto: IEEE Journal of Quantum Electronics. QE-24. 94-98 (1988)
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[Publications] 小林哲郎: 98. 85-92 (1988)
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[Publications] 小林哲郎: 電子情報通信学会誌. 72. 171-180 (1989)
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[Publications] T.Kobayashi: Proc.Topical Meeting on Picosecond Electronics and Opto-Electronics David Bloom ed.OSA to be published.
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[Publications] T.Kobayashi;A.Morimoto;et al.: "Picosecond to Femtosecond Optical Synthesizers in Ultrafast Phenomena VI" Springer Verlag, 135-138 (1988)
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[Publications] 小林哲郎: "フェムト秒域光エレクトロニクスの基礎in超高速光エレクトロニクス" 培風館,