1989 Fiscal Year Annual Research Report
応力集中域のコ-スティック像を利用したポリマ-のクレイジングの微視的定量解析
Project/Area Number |
62460070
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
高橋 清 九州大学, 応用力学研究所, 教授 (10010795)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桜田 泰弘 九州大学, 応用力学研究所, 助手 (50038543)
新川 和夫 九州大学, 応用力学研究所, 助教授 (00151150)
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Keywords | コ-スティック法 / クレイジング / 環境クレイズ / メタノ-ルクレイズ / ポリメチルメタクリレ-ト / ポリマ-アロイ |
Research Abstract |
本年度の主な成果は次の通りである。 1. 環境クレイズにおいてはその成長にともないクレイズ周辺で擬弾性的な変形が時間の関数として進行することを示した。この変形は負荷荷重を解り除いたときに時間遅れをもって回復する。この場合コ-スティック像は数ケ月のオ-ダ-で変化することがわかり、除荷後も何らかの分子的運動、例えばアルコ-ル分子の拡散、が像の変化に関与していることが示された。 2. クレイズ層まわりの応力分布をステップ状にモデル化してシャドウパタ-ンを描出することが出来た。この場合、変形は弾性的としているが、この仮定はクレイズ成長の全ステ-ジ(I〜III)のうちIIの前半までは適用が可能である。実際に観察されるシャドウパタ-ンとのパタ-ンマッチングにより、このモデルによる計算に用いられる各力学的パラメ-タを定量的に与えることができる。 3. シャドウパタ-ン形成の感度に相当する応力・光定数に対する環境液体の光学的効果を定量的に評価する方法を与え、また実際にその評価を行った。シャドウパタ-ン形成像面が液体タンク面に置かれたとき、液体の屈折率が1.33〜1.46と変化すると、実効的応力・光定数は34〜8%と変化する。また、水またはケロシンが環境液体として用いられた場合、像面が液体タンクから離れた空気中に置かれたとすると実効的応力・光定数は27または42%の変化をすることを示した。 4. ポリマ-アロイのき裂の反射コ-スティック像を得て、それにより靱性を評価することが可能であることを示した。
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[Publications] Aly E.Abo-El-Ezz: "Experimental Determination of Stress-Optical Constants of Poly(methyllate)Immersed in Liquid Environments" Journal of Physics D,Applied Physics. 22. 687-692 (1989)
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[Publications] 崔洛三: "ガラス短繊維強化ポリエチレンテレフタレ-トの損傷の微視過程" 日本複合材料学会誌. 15. 222-228 (1989)
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[Publications] 宮城浩: "ポリマ-の環境クレイジング現象研究のためのコ-スティックス法の応用ー特にシャドウパタ-ンと面外変形の関係" 日本非破壊協査協会誌. 38. 1079-1085 (1989)
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[Publications] 高橋清: "PMMAメタノ-ルクレイズ周りの局所変形とそのシャドウパタ-ン" 九州大学応用力学研究所所報. 68. 247-259 (1989)
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[Publications] 楊槐堂: "光弾性法とコ-スティック法による動的応力拡大係数の同時測定の試み" 九州大学応用力学研究所所報. 68. 543-550 (1989)
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[Publications] Kiyoshi Takahashi: "Application of the shadow optical method of caustics to toughness evaluation of a polymer alloy" Journal of Optics and Lasers in Engineering. to appear. (1990)