1987 Fiscal Year Annual Research Report
多軸応力下での塑性疲労過程における切欠き材の変形解析と損傷解析に関する研究
Project/Area Number |
62460075
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
井上 達雄 京都大学, 工学部, 教授 (10025950)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今谷 勝次 京都大学, 工学部, 助手 (70191898)
星出 敏彦 京都大学, 工学部, 助手 (80135623)
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Keywords | 切欠き材 / 塑性疲労 / 多軸応力 / 有限要素法 / 損傷力学 / 破壊力学 / き裂発生 / き裂伝ぱ |
Research Abstract |
弾塑性領域における切欠き底での応力・ひずみの解析に対しては, 弾塑性有限要素法を適用した. この有限要素法解析にあたっては新たにねじりの解析ができるように従来の軸対称解析プログラムを改良した. このプログラムを適用して, 本年度使用した切欠き試験片における切欠き底の弾塑性状態におけるひずみの解析を行った. 今後の計画としては解析結果の妥当性を実験的に検証する予定である. また, 今回申請して購入した高速制御装置を用いて既存の引張ーねじり疲労試験機を稼動させる疲労試験用ソフトウェアの開発も完了し, 第一段階の実験を終了した. 実験においては, 特に切欠き底表面におけるき裂の発生および伝ぱ挙動を中心にレプリカ法によって観察した. その結果,応力の多軸度に依存したき裂分布状態がその後のき裂進展形態に著しい影響を与えることが判明した. そこで, まずき裂進展に影響を及ぼす裂の分布状態の解析を行った. この解析には従来研究代表者らが提案した損傷力学的解析手法を適用することによって,き裂分布状態を十分把握できることがわかった. なお, この解析に必要な切欠き底でのひずみ値については前述の有限要素法解析で得られた値を用いた. ただし, 次年度で検討課題に取り上げていた寿命推定法の確立にあてっては,上述の実験的観察からき裂の発生と伝ぱの両者を同時に考慮しうる解析手法が必要であることがわかった. そこで, そのような解析手法の予備的検討として, 平滑材における粒界型き裂の成長に対する解析モデルを考案し, 実験的にその有効性を確認した. この結果を踏まえて, 現在切欠き材への拡張における問題点を検討中である. なお, 次年度中にこの予備検討の結果を公表する予定である.
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Research Products
(1 results)