1988 Fiscal Year Annual Research Report
Ni基超耐熱合金単結晶のクリープおよび高温疲労強度の結晶方位および強化元素依存性
Project/Area Number |
62460076
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
坂木 庸晃 東京都立大学, 工学部, 教授 (50083332)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
筧 幸次 東京都立大学, 工学部, 助手 (70185726)
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Keywords | Ni基超耐熱合金 / 単結晶 / クリープ強度 / 高温疲労強度 / 単結晶 / 結晶方位 / 強化元素 |
Research Abstract |
本研究の目的は、ガスタービンエンジン用Ni基超耐熱合金単結晶の高温クリープおよび疲労強度に及ぼす結晶方位と強化元素の種類の影響について組織的に検討し、実用上優れた性質をもつ合金系を明らかにすることである。 1.設備の購入状況 マイクロコンピューターは昭和63年7月に納入され、現在疲労試験のデーター解析に使用している。 2.研究の進展状況 供試材: Al-Ti-Ta強化型、Al-Ti-V強化型、Al-Si強化型Ni基超耐熱合金。 単結晶の微小領域化学分析: 昭和63年度から透過型分析電子顕微鏡が使用可能になったので、薄膜を用いてγ'析出粒子とγ母相の化学成分を別個に分析した。その結果Al-Ti-V強化型合金では、Al,Ti,V,Niがγ'析出粒子中に優先的に集まり、Cr,Co,Moはγ母相中に優先的に分配されることを明らかにした。他の2合金についても現在分析中である。 単結晶の転位組織の観察: Ni基合金の高温強度はγ'中での転位のKear-Wilsdorf交差すべりに依存している。今回薄膜の透過観察によって、Kear-Wilsdorf交差すべりが生じていることを直接観察することができた。 本年4月の学会で、上記の微小領域の分析と転位の観察結果を発表する。 クリープ試験: 代表的な結晶方位を選びクリープ試験を行い、760°CではAl-Ti-Ta強化型合金がAl-Ti-V強化型合金に比べて著しく強いことを明らかにした。しかし、1000°Cでは、強度差は小さかった。また、両合金とも多重すべりの方位ではクリープ強度が高く、単一すべりの方位では強度が低かった。 高温疲労試験: 単結晶材の高温疲労試験を行うに当たって、試験片の装着方法と歪の測定方法を工夫して、良好なデーターが得られるようにした。現在、疲労強度と引張り試験の破断伸びとの間の相関関係について検討中である。
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