1988 Fiscal Year Annual Research Report
微小疲労き裂群の極値統計解析による高精度余寿命評価法の開発
Project/Area Number |
62460078
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Research Institution | The University of Electro-Communications |
Principal Investigator |
市川 昌弘 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (80017334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高松 徹 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (00106890)
秋田 敏 電気通信大学, 電気通信学部, 助教授 (60017390)
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Keywords | 余寿命評価 / 疲労寿命 / 微小き裂 / 極値統計 / 再帰期間 / 画像処理 / 信頼性評価 / 高温疲労 |
Research Abstract |
本年度は高温疲労試験に着手し、高温疲労で発生する微小き裂群を画像処理により解析し、その結果に極値統計理論を適用して最大き裂長さの推定を行い、実測値と比較した。高温疲労試験システムは本補助金で本年度購入した高温装置を既設の電気油圧サーボ疲労試験機にとりつけて構成し、試験片伸び検出と波形出力を自動化するためにマイコンによる制御系を自作した。伸び検出器も自作した。この試験システムを用いてオーステナイトステンレス鋼SUS316Lの丸棒平滑試験の650℃における疲労試験を行った(ひずみ波形は全しずみ範囲1%の両振りで、ひずみ速度は引張側の2×10^<-5>/S、圧縮側は2×10^<-3>/Sの非対称三角波)。繰返し数N=70またはN=35サイクルの間隔で試験を停止して降温し、試験片ゲージ部のレプリカを採取し、本補助金で作年度購入した画像処理装置TVIP4100とPC9801V×41を用いて画像処理を行った。処理コマンドとしては、本装置に付属の基本コマンドのほかに、エッジ強調とノイズ除去のための独自のコマンドを自作し、使用した。画像処理による微小き裂長さaの測定値は、a≧30μmの範囲では±10%の精度を有することがわかった。また、試験片表面に発生した微小き裂長さの分析は3母数ワイブル分布に適合することがわかった。次に、試験片表面中の4×4mm^2の観察領域より求めた極値分布を2重指数分布にあてはめ、これより試験片表面全体での最大き裂長さを推定して実測値と比較した。また、この極値分布を用いて低破壊確率領域の余寿命評価を行った。 来年度(最終年度)は本年度と同様の実験を行って実験データを増やすと共に、寿命分布を実験的に求め、低破壊確率領域の余寿命評価法を完成させる。
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