1988 Fiscal Year Annual Research Report
環状流路内における旋回乱流の挙動の解明(特に壁法則の改良に関して)
Project/Area Number |
62460095
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
有賀 一郎 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (40051172)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 重明 慶應義塾大学, 理工学部, 教授 (90051664)
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Keywords | 環状流路 / 旋回乱流 / 3次元ねじれ境界層 / 壁法則 / K-εモデル |
Research Abstract |
本年度は実験的研究として、3種類(Φ=0°,30°,50°)の人口旋回角と3種類(Z/Dh=0.0,6.85,12.3)の流れ方向位置において、同心二重円管内の粘性底層から外層までの平均速度分布、静圧分布、乱流成分の測定を行い、以下の結論を得ている。 (1)遠心力の働かないΦ=0°においては、内・外壁ともに平均流速は二次元平板の対数則に一致しており内・外壁の差はないが、摩擦速度により無次元化された乱れ強さは内壁側に比べて外壁側が大きくなっている。 (2)旋回を伴う流れでは遠心力により、内壁近傍においては安定効果が外壁近傍においては不安定効果が働く。このため、Φ=50°の場合には、絶対流速・軸方向流速に対する対数則の勾配は無旋回時に比べ内壁側においては大きくなり、外壁側においては小さくなる。この傾向は、絶対流速に関しては内壁側に、軸方向流速に関しては外壁側により顕著に表れている。しかし、Φ=30°の場合には、遠心力の効果はΦ=50°の場合に比べて小さく、絶対流速・軸方向流速に対する対数則はΦ=50°の場合よりもΦ=0°(二次元平板の対数則)に近く、周方向流速に対する対数則は内・外壁で一致している。 (3)少なくとも粘性底層から遷移層の間では、入口旋回角にかかわらず流れがねじれていないことが確認された。 また、数値解析に関しては、Spalding-Launderらによって提案された等方K-εモデル及び、吉沢らによって提案された非等方ほうK-εモデルの二種類のモデルによる解析を行い、νrz・νrθの値がνtから修正されない様な乱流モデルを用いた解析時には、Φ=50°の流れの予測精度が低いことや、渦粘性係数の定数:Cμ=0.09もΦ=50°の場合には不適当であることが分かった。
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