1987 Fiscal Year Annual Research Report
車輪式移動作業ロボットの移動・姿勢制御に関する研究
Project/Area Number |
62460105
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
井口 雅一 東京大学, 工学部, 教授 (60010683)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今泉 博英 東京大学, 工学部, 助手 (70010858)
藤岡 健彦 東京大学, 工学部, 助教授 (60167624)
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Keywords | 姿勢制御 / 不整地走行 / 移動ロボット / 姿勢センサ / レート・ジャイロ / 傾斜角センサ / 加速度センサ |
Research Abstract |
不整地におけるより柔軟な姿勢制御を実現するために, 姿勢計測用のセンサ・システムを開発し, 試作した第2号実験機に搭載し不整地走行実験を行った. 第1号機においては姿勢計測用のセンサとして傾斜角センサを用いていたが, 傾斜角センサは減衰が悪く収束するまでの時間が長いため, その応答性の限界から制御性能が決定されてしまっていた. 一般的に姿勢計測センサとしてはジャイロが使用されるが, 精度のよいジャイロ・システムは高価であり車両搭載センサとしては適切ではない. そこで本年度においては廉価な模型用レート・ジャイロと加速度計とを組み合わせたセンサ・システムを開発した. その結果, 模型用レート・ジャイロの低周波領域でのドリフトを加速度計によって補うことにより, 傾斜角センサに比して非常に応答性のすぐれた姿勢計測が可能となった. 第2号機としては, 第1号機がラック・ピニオン機構による各足の上下動のみの計4自由度であったのに対し, 上下動には平行リンク機構を採用し, さらにビッチ方向も加え計8自由度とした. また大幅な軽量化を実現し, 足先には荷重センサを搭載した. 開発したセンサ・システムを本実験機に搭載し, 左右に高度の異なる段差, 波面を持たせた疑似的な不整地路面状での走行実験を行った. 実験では, 各自由度を制御することにより路面形状にかかわらず常に車体を水平に保つこと目的とした. その結果, 従来の車両におけるサスペンションでは走行が不安定となり, ともすれば横転の危険のあるような厳しい不整地においても, 車体を水平に保つことによって安定した走行が実現された. 今後は, 種々の作業時においてそれに適した姿勢及び荷重の制御を実現する事が目標である.
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