1988 Fiscal Year Annual Research Report
視覚情報に基く経路誘導に関する研究(データフロー型プロセッサを用いた並列画像処理システム)
Project/Area Number |
62460107
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤岡 健彦 東京大学, 工学部, 助教授 (60167624)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
広瀬 通孝 東京大学, 工学部, 助教授 (40156716)
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Keywords | 画像処理 / 並列処理 / データフロー型プロセッサ / 移動ロボット / 経路誘導 / 白線追従 / 障害物回避 / ビークルオートメーション |
Research Abstract |
本研究では、画像処理プロセッサとして非ノイマン型アーキテクチャを持つデータフロー型プロセッサを採用し、さらにノイマン型プロセッサとの機能分担を両プロセッサの特長に応じて行うことにより、障害物認識以外の処理は全て1画面当り十三ms以下、障害物認識処理では1画面当り約120msという高速で実現することができた。 本システムを用い、ある程度のモデル環境に於て実験、考察を行った。 分岐・障害物回避を含んだライントレース実験では、データフロー型プロセッサに画像処理だけでなくある程度の判断機能・プログラムの制御機能も分担させた。その結果、データフロー型プロセッサには単純な画像処理だけでなく、様々な処理が可能であることがわかったが、判断・プログラムの制御は苦手とする分野であり、プログラム開発には比較的大きな労力を要した。 そこで、動く障害物を含む廊下走行実験では、両プロセッサの間に明確な機能分担を行なった。その結果、プログラム全体の見通しがよくなり、データフロー型プロセッサの受け持つ各ユニットがサブルーチンのように使えることで、画像処理用プログラムのモジュール化が可能となった。また、判断・実行計画・プログラムの統括等をノイマン型プロセッサが担当しているため、プログラムの流れを記述するのもはるかに容易にり、さらに、データフロー型プロセッサのプログラム内容を実行計画に基づいて自己改変できるので外部環境に対する柔軟な対応が可能となった。 様々な問題点を抱えていながら、データフロー型プロセッサに寄せられる期待は非常に大きい。しかし、データフロー型プロセッサ単体だけでの実用となると、現段階ではまだ問題点を有し、本研究のようにノイマン型プロセッサとの併用による協調処理を行うことが不可欠である。
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