1987 Fiscal Year Annual Research Report
部分構造合成法による内燃機関の振動と騒音の解析方法の開発
Project/Area Number |
62460108
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
長松 昭男 東京工業大学, 工学部, 教授 (70016640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大熊 政明 東京工業大学, 工学部, 助手 (60160454)
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Keywords | 振動解析 / 部分構造合成法 / 内燃機関 / 騒音 / モード解析 / 有限要素法 |
Research Abstract |
研究実施計画に基づき, まずシリンダブロックなどの内燃機関の主要構造部品の振動特性を解析する方法を開発した. 解析精度の検証は実験と対比させることにより行い, その結果, 主な騒音問題領域となる2000Hz付近の高次振動帯域まで実用的に十分な精度の解析ができることがわかった. 当初, クランク軸は伝達行例法によってモデル化して解析する予定であったが, 有限要素法のアイソパラメトリックソリッド要素での精度良いモデル化方法を確立できたので, その様に変更した. この変更は, 開発システムをさらに第三者の利用しやすのものにする. システムプログラム開発に関しては, 引続き計画5に基づいて放射音のエネルギと空間音圧分布を求める方法を開発し, 作成した. 計画2の軸受の油膜特性については, その動ばねこわさと減衰特性を与える副プログラムを作成したが, 内燃機関の実働時における油膜挙動は必ずしも流体潤滑理論通りであることは疑わしいので, 実験的にその特性を明らかにすべく, 実験装置を製作して計測実験を実施し, 現在データを整理中である. 次に, 計画3と4に基づき, 実機の4気筒ディーゼルエンジン全体の振動解析を部分構造合成法により行い, 実験結果と比較した. その結果, 全体系の解析も実用的に十分な精度で解析できることがわかった. さらに, 構造の一部分を設計変更した場合の振動特性変化も精度良く見積れることもわかった. この成果は日韓振動会議(昭和62年8月)において発表した. 計画7の実働時の燃焼圧力の計測は, 吸排気バルブの着座力などの他の励振源要因の計測も含めて行ったが, 理論的な解析に用いるための信頼性の高いデータとするには更に計測実験を重ね, 多面的に検討する必要があると判断したので, 引続き計測実験を実施中である. 計画の一部については, 改良変更や追加実験を行っている点もあるが, ほぼ当初の研究計画どおりに研究は進んでいる.
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