1988 Fiscal Year Annual Research Report
シンクロトロン放射光励起によるアモルファス薄膜形成とその評価
Project/Area Number |
62460120
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
吉田 明 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (20023145)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 博司 佐賀大学, 理工学部, 教授 (10039290)
齋藤 洋司 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (90196022)
並木 章 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (40126941)
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Keywords | シンクロトロン放射光 / 水素化アモルファスカーボン / 水素化アモルファスシリコン / マイクロ波励起水素放電管 / 真空紫外光 |
Research Abstract |
真空紫外光は物質との相互作用が大きく、将来の光化学反応には有望と考えられるが、適当な光源がなかった。最近、新しい光源としてシンクロトロン放射(SR)やマイクロ波励起放電管が注目されている。特にSR光は安定かつ強力であり、清浄性や指向性に優れているため、将来の超微細加工技術にも適合する光源と考えられる。本研究では、SR光および放電管による真空紫外光を用いて原料ガスを励起し、薄膜を形成することを試み、形成膜の評価および成膜機構について検討を行った。前年度においてはブタンガスを原料としてアモルファスカーボン膜の形成を行ったが、本年度においては、シラン系ガスを原料としてシリコン膜の形成を試み、以下のような結果を得た。第一に、モノシランを原料としてSR光励起により、水素化アモルファスシリコン膜が形成できた。昨年度のカーボン膜形成の場合と異なり、基板への光照射の有無にかかわらず成膜され、気相中における原料ガスの分解反応が主成膜機構であると考えられた。しかし、光照射により膜の密度が増加することが見いだされた。また、成膜時に基板表面付近へ電界を印加すると、形成膜の密度が減少してしまい、電界が膜質に悪影響を与えることがわかった。第二に、ジシランを原料としてマイクロ波励起窓なし水素放電管による真空紫外光励起により、水素化アモルファスシリコン膜が形成できた。光学窓を用いない場合は励起水素による原料ガスの分解促進が考えられるが、光学窓を用いた実験との比較から、本実験条件では光分解が主な成膜機構であった。形成膜質は成膜温度に大きく依存し、温度が高いほど結合水素が減少し、光学バンドギャップが減少すること、SiーH結合密度のSiーH_2結合密度に対する比が大きくなることがわかった。基板温度が250℃の場合に光伝導度が最も大きな膜が得られ、光感度は10^7に達し、従来のプラズマ成長膜に比べて高品質な膜が得られた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] A.Yoshida: UVSOR Activity Report. 15. 70-71 (1988)
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[Publications] A.Yoshida: UVSOR Activity Report. 15. 74-75 (1988)
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[Publications] Y.Saito: J.Applied Physics. 65. 2552-2553 (1989)
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[Publications] H.Ohashi: Applied Physics Letters. (1989)
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[Publications] 大橋治彦: 第49回応用物理学学術講演会予稿集. 533 (1988)
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[Publications] 大橋治彦: 日本学術振興会薄膜第131委員会第144委員会資料. 54-59 (1988)