1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62460144
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Research Institution | the University of Tokyo, the Institute of Industrial Science |
Principal Investigator |
浦 環 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (60111564)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
能勢 義昭 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (10114604)
都井 裕 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (40133087)
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Keywords | アンカー / 把駐力 / 超音波 / 海底土 / 強度 / 反射率 / 減衰率 / 錨泊 |
Research Abstract |
錨泊を対象とした調査は、次の要件をみたさなければならない。 (1)海底土の剪断特性値を錨地全域にわたっての調査する。ただし、錨が貫入すると考えられる深さ内で調査せねばならない。 (2)個々のアンカーの把駐力特性値と海底土の剪断特性値とを対応させる。しかし、一般に海底土の剪断特性値を現地で直接計測するのは困難な面が多く、土木工学の分野で用いられるN値のような、ある指標を得ることで満足せねばならないし、得られた指標データとアンカーの最大把駐力係数とを対応させる必要がある。ここでは、「標準錨」という概念を導入した。特性の良く知れた把駐力の基準となる「標準錨」を錨地で引き、その把駐力を指標として錨地の海底土の特性を表し、船舶用のアンカーの特性とを関連づける。このようにすれば、海底面での点的なデータではなく、線的なデータを得ることが可能になる。以下に示されるように、海底土の力学的特性を表す指標である海底土把駐指数とアンカーの特性を表す錨指数を定義する。(1)錨地で標準錨を引き、錨地の各位置での把駐力Hを求め、海底土地把駐指数(H1_2=H/L_S^3)の分布を計測する。Lsは標準錨の代表長さである。(2)各種アンカーと標準錨との性能を無次元把駐力Cdで比較し、錨指数Hr=Cd(自船錨)/Cd(標準錨)を得ておく。錨地で本船が期待し得る最大把駐力Hmaxは、Hmax=Hix Hrx L^3で与えられる。本研究では、根岸湾の海底土把駐指数の分布図の具体例を示し、錨指数とあわせて、錨地における本船錨の効きを推定するための資料の作成手順を示した。本方法は簡便であると同時に、広い領域の調査ができるものである。これを避泊錨地など拡げてゆくことが可能である。したがって、今後はより多くの錨地の把駐指数分布データを蓄積し、それと同時に各種アンカーの錨指数を明らかにし、より信頼性の高い情報を呈することが必要である。
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